『夏の魔物』

 
 闇に、吸い込まれる。それは、虫が光に吸い寄せられるように。


 長かった梅雨は去り、セミが夏を叫ぶ八月上旬。とある田舎の渓谷をたっぷり3時間ほど歩き回ったわたしは、家に帰るための最終列車を待つため、小さな駅舎へと戻ってきた。
 しかし列車が来るまではまだ1時間ほどある。駅前にはコンビニもないが、お店が一つあった。土産物屋と食堂を兼ねていると屋根には書かれてあるが、中に客はおらず、店を切り盛りしていると思われるおばさん二人が談笑しているところだった。ふと周りを見てみると、自分と同じくらいの年齢のおひとり様がいた。わたしと同じように、列車までの時間をどうしようかひと思案といったところだった。
 彼はその店の中をちらりと見やったが、店には入らずそのまま自販機で何やら飲み物を買い、駅前のベンチに座ってしまった。大方地元オーラに太刀打ちすることを選ばず、旅先での平和で大切なひとりの時間を守ったのだろう。よくわかる。
 さてわたしはと言うと、さっき駅に戻る途中の道で見つけたラーメン屋に入ろうとしたら、「やってないんですー」と網戸越しに言われてしまったのが効いたか、彼と同じように中をちらりと見やるだけでその場を離れてしまった。旅先でやってるかやってないか微妙なお店に入るのは、想像以上に精神力を使うことなのだ。ましてやフラれてしまえばそのダメージは倍増。ここでむやみに攻めるのはリスクが大きかった。
 さりとて1時間も何もない駅前にいるのは味気ない。それに、なんとなくお店の前にもあまりいたくなかった。手グセ、いや足グセでわたしは先ほどとは別方向へ散歩に向かった。


 少し行くと、「白鳥」という名のレストランが"あった"。それは外観だけはかつての様子をとどめていたが、ガラスの外された窓からは、その名前とは逆の真っ黒な闇しか見えなかった。
 また少し行くと、もう一つ民家ではなさそうな建物があった。そちらはわかりやすく廃墟といった趣で、緑が少しずつそれを取り込んでいるところだった。元は宿泊施設かなにかだったのだろうか。
 もう少し行くと、パン屋の看板があった。もう18時を過ぎているし、すでに閉まっているだろう。わたしは期待せず角を曲がった。そうするとたしかにパン屋が存在した。それは前二つの廃墟とは違い、現役のパン屋だった。しかし入口には、「今日の営業は終了しました」の紙が控えめに、しかし間違いなくよそ者を入れないようにその存在を主張していた。
 別に腹が減ってるわけでもない。やってるかやってないかわからないよりは、そうして主張してくれる方がよっぽどありがたい。わたしはそのまま道を進んだ。するとすぐに視界が開け、そこには夏の夕暮れがあった。いや、夏の夕暮れ"だけ"があった。


 夏を叫んだセミたちの中で、今ここではひぐらしが主役だ。さっきまで暑く腕を焼いた陽光は態度を軟化させ、生ぬるい風とともにわたしに取り入ろうとする。ぼんやりと桃色に染まった雲はかわいく微笑み、少し霞んだ空の中で良い雰囲気を作り上げる。今ここに人間は自分しかいない。彼らの、彼女らの誘いに乗ってしまおうか。魅力的なそのお誘いに。
 あたりはわたしに悟られないように少しずつ、だが確実に黒を増してゆく。ふとわたしはスマホを見た。最終列車まであと20分。スマホの充電は20%を切っている。このままここで誰にも気付かれずに立ちすくめば。帰る手立てはなくなり、スマホの充電が切れれば、わたしは彼女らとひとつになれるだろうか。そうか、神隠しなんてのは案外こんなことなのかもしれないな。夏の夕暮れのお誘いは、どんな未来よりも魅力的に思えた。このまま闇の中へ消えてしまえば。緑がわたしを取り込んでしまえば。わたしが夏とひとつになれば。そうか、あの人が会いたかったと歌っていた夏の魔物は、こんなところで待っていたのか。


 「ワンワンワンッ!」
 吠えたのは犬だった。
 「ごめんなさいね、知らない人がいてびっくりしちゃったみたいで」
 その犬を連れたおばさんは、よそ者に向かって優しく挨拶をしてくれる。わたしは精いっぱいの愛想で返し、来た道に歩を向ける。
 「その子、なんてお名前なんですか?」
 その犬の名前は、わたしと同じだった。


 駅に着いたときには、すっかりあたりは暗くなっていた。件の駅前のお店には灯がともり、店内には地元の人とおぼしき青年4人組が楽しそうに食事をしていた。わたしは1時間前に彼がしたように、駅前の自販機で飲み物を買い、喉の渇きを潤した。
 無人駅とはいえ、ホーム上は必要最低限の光で照らされている。しかしそのホームから見る線路の先は、闇に包まれていた。ホームの端に立ち、線路の先に待つ闇を羨ましそうに眺めているわたしに、踏切の音が邪魔をした。


 チョウチンアンコウのように二つのヘッドライトを眩しく光らせた最終列車にわたしは飲み込まれた。どうやら、この夏最大のチャンスを逃してしまったようだ。

『けいおん!』9話「新入部員!」備忘録

 

昨年、アニメけいおん!の10周年を記念してTBSでけいおん!1期が再放送されていた。ご飯を食べながら見るアニメを探していたときにそのことを思い出し、去年に途中まで見ていたので、録画を引っ張り出して続きの9話から見た。

自分はけいおん!は完全に初見だったものの、この9話が非常に良く、少し備忘録的なところを書き残しておこうと思う。まあ10年前の、それも大大大ヒットしたアニメなのだから、自分が今書くようなことはすでにすべて言及されているだろうとは思うが、せっかくなので。

 

 

 

 

 

「新入部員!」あらすじ

けいおん!自体の説明は特に必要ないと思うので、この9話のあらすじを大まかに。

 

新入生歓迎会での軽音部のライブを見て入部を決めた中野梓。しかし軽音部は部員はおろか顧問のさわ子先生すらもマジメに練習をせず、ティータイムと称してケーキを食べたりネコミミコスプレをしたりする始末。親の影響で小学生からギターをやっていた梓は、そんな「不真面目」な軽音部に嫌気が差す。それなら学校の外でバンドを組めばいいとライブハウスに足を運ぶが、どのバンドの演奏も軽音部の演奏より上手いはずなのに、梓はなぜ自分があの新歓ライブで自分が感動したのかがわからず、涙を流す。

部室にもう一度足を運んだ梓に対し、4人は梓のための演奏をする。ひとりひとりの技術は未熟でも、この4人で演奏するからこそ素晴らしい演奏になるのだと感じた梓は、再度この軽音部で一緒に演奏をすることを選ぶ。

 

 

けいおん!』の描く彼女たちの在り方

けいおん!では、部活ものではあるものの、いわゆるスポ根路線の上手くなること、強くなることを主題に置いた描き方はなされていない。軽音部に所属する彼女たちの、ときに部室で駄弁ったり、ときにコンビニで買い食いをしたり。そんな楽しい何気ない日常を描いている。しかしこれは、成長や上達の否定と単純な享楽を描いているわけではない。つまり、「楽しければ頑張らなくてもサボってもいいじゃん?」とは少し違うのだ。とはいえ、頑張れ、ちゃんとしろと言っているわけでももちろんない。

この回で示されていることは何かというと、「ライブハウスで演奏しているバンドたちよりも、桜高軽音部の4人による演奏の方が中野梓を感動させた」ということである。彼女たちは技術は未熟ながらも、この4人で演奏することそれ自体に唯一無二性がある。だから梓はそれに惹きつけられたのだ。

それはなぜか?ラストで澪が、お茶飲んだりだらだらすることもあるけど、「それも必要なこと」だと言うセリフが印象深い。彼女たちの日常こそが、彼女たちをバンドとして良いものにしていくために必要なことなのである。

 

アニメ『けいおん!』のすごいところは、この「日常」こそが彼女たちを「バンド」として、さらに思い切って言えば「表現者」として高みに押し上げているんだということを、全編に渡る非常に高品質の「日常作画」と「日常演出」によってバッチリ説得力のあるものに仕上げている点だと思う。それらの積み重ねの結実が、新入部員を迎えるこの9話で花開いたと言っていいだろう。毎回のOPとEDもまた、彼女たちが彼女たちとして演奏しているものであり、いわば彼女たちの在り方が「正しい」(アニメの主題歌として申し分ない曲を演奏している)ことの証明とも言える。

 

 

『Don't say "lazy"』というED主題歌

今さら説明の必要もないこの曲だが、あらためて聴くと、イカした曲調にカッコいい歌声、のわりに歌詞は妙に甘っちょろい感じがあるのが不思議といえば不思議だった。もちろんそれがこの曲のいいところだと言えばそれまでなのだが、この9話を見て、やっとこの曲がこのアニメのED主題歌となっている意味を理解した。

すなわち、「Please don't say "You are lazy"」は、厳しく練習をしようとする中野梓に向けた歌詞だ。4人で放課後のティータイムを楽しむということが、彼女らにとっての「王道」だったわけだ。もう2020年にもなってこんなことをドヤ顔で言うのは恥ずかしいったらありゃしないのだが、この『けいおん!』9話を見て、初めて10年前から聴いていた曲のピースがハマった感覚が非常に気持ち良かった。「大事なのは自分 かわいがること 自分を愛さなきゃ 他人(ひと)も愛せない」なんだよな。桜高軽音部がアニメの主題歌を歌うほどになっても、彼女たちの中にはそうした彼女たちの在り方が息づいているということがうれしい。

 

 

あずにゃん

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あずにゃんこと中野梓、いや中野梓ことあずにゃん。オタクたちの間の呼称だとずっと思ってたのに、劇中で普通に「あずにゃん」って呼び始めてひっくり返った。あんなことしたらそりゃあ猫も杓子もあずにゃんになるわな。ただ、ネコミミをつけたあのシーンで「軽音部へようこそ!」と言われるのはかなり納得感も強く、同じようにコスプレをさせられるすることで仲間になるという描き方は、なんだろう、同じ穴の狢みたいな……。同じ釜の飯を食った仲の方がいいか。新入生歓迎の際、4人は動物の着ぐるみに入って新歓をしていたので、動物つながりというところもあるだろう。*1

いずれにせよ、親の影響で子どものころからギターを弾いてきた中野梓が、みんなで楽しくやることを主題においた軽音部に入って「あずにゃん」となることは物語においても重要なポイントだった。また、立ち位置的にこれまでの在り方に一時的とはいえ対立するキャラクターになるので、嫌われないためにもあざとくかわいく描こうとした面はあったのだろう。その結果ここまでの象徴的なキャラクターになると、どこまで予想していたかはわからないが……。

 

 

 

10年越しの初視聴で言うのもなんなのだが、はっきり言って抜群に出来がよく、これは流行るし売れるわと毎回思わされる。まだ1期9話なので、一気見とは言わないまでもじっくり2期までは見ていきたいと思う。 

 

 

*1:今思えば帰宅部活動記録で、アザラシ(原作ではチュパカブラ)の着ぐるみを着て新入生の歓迎をしていたのもけいおん!のオマージュだったのか。けいおん!以前に元ネタはありそうだけど。

2020年春クールアニメレース(実況:万条あくあ 解説:syoco)

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「『揉め事はジェットレースでスッキリ解決!』さあ!やってまいりました『2020年春クールアニメレース』の時間です!実況はわたくし万条あくあ!」

 

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「解説は初心者歓迎、syocoでお送りいたします」

 

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「さっそくですがsyocoセンパイ、今回のレースについて教えていただけますか?」

 

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「はい。その名の通り、2020年春クールアニメの駆け抜けた3ヶ月を追っていき、そのアニメたちの中でどの作品が良かったかを決めるレースです。順位は完全なるこの文章の筆者の匙加減で決まります。アニメの良さ、面白さというものは十人十色、アニメ視聴者の数だけこのレースの展開があるというところが大きな特徴になりますね。ところで最初の『揉め事はジェットレースでスッキリ解決!』っていうのは?」

 

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「それ言わないと私たちが何者なのか忘れちゃってる人もいるかと思いまして」

 

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「……たしかに。(でもそれがあったとしても知らない人は知らないと思います)」

 

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「ともあれご説明ありがとうございます。ではさっそくですが、今回のレースに出走する各アニメを見ていきましょう!」

 

 

1枠1番 ツグツグモモ

1枠2番 グレイプニル

2枠3番 シャチバト

2枠4番 シロネコプロジクト

3枠5番 キツツキタンテイ

3枠6番 プリンセスコネクト

4枠7番 ジャシンチャンツ

4枠8番 カミノトウ

5枠9番 プランダラ

5枠10番 ハチナンッテソレハ

6枠11番 タマヨミ

6枠12番 カクシゴト

7枠13番 シンサクラタイセン

7枠14番 リスナーズ

7枠15番 ナミヨキイテクレ

8枠16番 アルテ

8枠17番 カグヤサマツー

8枠18番 ハメツフラグ

 

 

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「こちらの枠順ですが、日曜日から順に地上波の放送時間順に並べたものになっているようですね。また、アニメ名に関しては競馬の馬名の9文字までという制限を適用して、9文字まででつけさせていただきました」
 

 

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「さてsyocoセンパイ。レース開始前の段階では12番のカクシゴト単勝一番人気となっていますね」

 

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「そうですね。筆者が久米田作品のファンであること、またプロモーションの気合の入り方などが考慮に入れられて人気を集めているようです。ちなみにこの単勝人気というのは筆者の期待値に多少の世間的な注目度などを加味して勝手に筆者の脳内で設定されます」

 

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「解説ありがとうございます。この中でsyocoセンパイが注目しているアニメというのは」

 

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「そうですね。1番ツグツグモモ、7番ジャシンチャンツの両2期作品は1期が良かっただけに安定した走りが期待できそうです。また、ラジオを題材にした15番ナミヨキイテクレも注目ですね。穴っぽいところでいうと3番シャチバトはソシャゲ原作ということもあり一発の可能性は秘めていると思います」

 

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「ありがとうございます。残念ながらこのレースでは社会情勢の影響を受け、出走予定が中止、延期となってしまったアニメもあります。しかしいわばそれも乗り越えたたくましいアニメたちのレースということにもなりそうですね。さあ各アニメ順調にゲート入り……」

 

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「スタートしましたぁ! まずポンと飛び出したのは内枠1番ツグツグモモと大外18番ハメツフラグです!」

 

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ツグツグモモは2期ということを活かし、キャラ紹介をすっ飛ばして得意のお色気ギャグバトル展開を使えたのが大きいですね。ハメツフラグは1話で設定説明に終始せずしっかりとキースの話を締めたことで好ダッシュです」

 

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「さあ人気のカクシゴトは中段やや前の好位につけそうか! しかしまだゆるく一団となって最初のコーナーにかかろうとしております!」

 

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「レースは始まったばかり。まだどのアニメが抜け出すか目が離せません」

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「第一コーナー、おおよそ各アニメ3話までを過ぎたことになりますが、ここまでいかがでしょうかsyocoセンパイ!」

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「そうですね、ツグツグモモハメツフラグがレースをリードしている展開です。あとはジャシンチャンツナミヨキイテクレも快調に飛ばしていますね。あと現時点では中段あたりですが、カミノトウシロネコプロジクトはちょっと面白い存在になるかもしれません」

 

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「さあレースは序盤から中盤へ! おっとここでスタート悪くなかったタマヨミですが大きくつまずいてしまったか!?」


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「4話ですね。筆者が原作でお気に入りの柳大川越戦ですが、1話で試合をまとめることを優先した結果でしょうか、柳大川越の描写が削られたことにより試合が淡々と進んでしまっている印象を受けますね。4話にして初めての試合回がこれというのも厳しかったようです」

 

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「珍しく原作既読でアニメに臨んだことがアダとなったか! 同じく原作既読のカクシゴトはここまでまずまずの走りに見えます!」

 

 

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「アニメより先に原作に触れることは、アニメ実況者にとっては諸刃の剣となることもありますね。原作には原作、アニメにはアニメ、それぞれの媒体としての良さがあるはずで、そこをどう感受していけるかが重要です」

 

 

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「ここで各アニメ中盤まできての解説もいただけますか?」

 

 

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「はい。シンサクラタイセンはクラーラの家族という軸をどう料理するかですね。キツツキタンテイは主人公に好感を持てる要素がないのが厳しいところです。しかしこれは単純に対象視聴者層の違いというところでしょう。タマヨミは先ほどの4話の後は持ち直しているので、見限りにはあたりません。アルテは差別描写をどこまでアルテちゃんのキャラで良さに変えていけるかですが、娼婦ヴェロニカさんまわりの話が良かったので後半は期待しても良いと思います。ハチナンッテソレハ、独特のノリがありますが、だんだんとクセになってきています。シャチバトですが、作画とコンテに関しては抜群のものをもっているのにいかんせんストーリーラインが弱いですね。プランダラはこの中で唯一継続2クール目となりますが、大きく設定を明かしてきて継続クール特有の強みをしっかり出しています。グレイプニルはヒロインの東山さんの演技が良いですね。きぐるみの中に入るという行為に対するエロチックな描写もキマっていて、深夜アニメの良さがあります。カグヤサマツーは演出盛り盛りテンポキレキレのギャグはさすがといったところでしょうか。シロネコプロジクト、セリフのキレに光るものがあり、引き続き注目です。カミノトウも同様に要注目アニメですが、すぐ退場するっぽかったワニがとてもいいキャラをしているなど、良い意味で裏切られていて面白いです。リスナーズはモチーフとなっているであろう洋楽の知識はないですが、ミューとエコヲのロードムービーとしてかなり良い映像になっています。高橋李依さんはカクシゴトもですが良いですね。そのカクシゴトはやはりギャグもちょっとほろりとするシーンも高いレベルで安定しています。ただちょっといい話の割合が高まると鼻につくところがなくもないですね。プリンセスコネクトですが、ソシャゲ原作のリッチな画面を使いながら、「食」と「家」の描写が軸になっていて非常に良いです。ただキャラクターのカロリーが高めなのでソシャゲの方でキャラに触れていない状態で見ているとちょっとついていくのが大変なところもありますね。ナミヨキイテクレは金曜深夜という枠も非常にプラスに働いていますね。北海道という場所と深夜ラジオという題材、そしてミナレのハチャメチャさに引き込まれます。ジャシンチャンツは1期のときよりも全体的にレベルアップしているように思えます。ギャグの乱れ打ちとキャラ同士の関係性描写、邪神ちゃんのクズエピソード、それらすべてがベストマッチしています。ツグツグモモエロコメディバトルものというところで、日本の深夜アニメのある意味ひとつの王道路線ですよね。2話、3話、4話は貫禄すら感じさせる出来でした。そしてハメツフラグ、現段階では覇権フラグを掲げようかというところですね。まず内田真礼さん演じるカタリナがすごく魅力的で、まわりのキャラクターを救っていっていることに説得力があるのが素晴らしいです。ここまでですと5話のマリア回が出色の出来でしたね。カタリナ以外の女の子もかわいく、盤石といってよいかと思います。

 

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「早口での解説ありがとうございます!」

 

 

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「……」

 

 

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「さてレースは折り返しです。ここで脚色良く伸びてくるのはシロネコプロジクト!前代未聞の山菜採り回が存在感を放っております!他各アニメもギアを上げてきています!」

 

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「不穏な音楽にのせた次回予告の『山菜採り』の文字、そして実際に仲良く山菜採りをするだけの30分、そしてその次の回での衝撃的な展開……、これはこの後何年も語り継がれるでしょうね……!」

 

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「山菜採り回自体も、山菜という『食』を通して白の世界と黒の世界の持つ持たないをしっかりと描写していて完璧です……!」


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「今期は『食』に対する描写の優れたアニメが多いですね。命は粗末にしても食べ物を粗末にすることは許さないジャシンチャンツ、そのものズバリ美食殿の活躍で美味しく食べることの描写に余念がないプリンセスコネクトハチナンッテソレハも薄味のスープが出てきたり味噌が出てきたりと、ギャグ要素も強いですが食を重要視しているのは間違いないでしょう。公式アカウントも酒とつまみを用意して視聴していますし。そこでいえば忘れてはならないのがハメツフラグですね。カタリナは自ら農作業に勤しみ、CMでもカタリナ農場と題して実際に作物を育てています。少し前のアニメですが、『のうりん』がいかに正しいアニメだったかということを教えてくれます」



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「さあいよいよレースは第4コーナーを曲がって最後の直線!ラスト3話で各アニメはいったいどのような結末を迎えるのか!」

 

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「やはり最後どう締めるかということはアニメにおいても重要な要素の一つ。この最後の直線は言うまでもないことですが非常に見どころとなってきます」

 

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「中団からじわじわと上がってきているのはアルテか!ヴェネツィア編から明らかに前方集団を捉えにかかっている!シャチバトもようやく伸びを見せ、タマヨミもついに梁幽館戦が始まり手応えを見せている!逆に先頭ではジャシンチャンツハメツフラグと並んだ並んだ!先頭を走っていたツグツグモモは少し厳しくなってきています!」

 

 

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ナミヨキイテクレもまだ粘っています。カミノトウもグングンと伸びてきていますね。あとは人気のカクシゴトがラストにどう締めてくるか、上位はかなりの混戦が予想されます。さあ各アニメ最終話を迎えます。見守りましょう」

 

 

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「実況民としては最も緊張する最終回、さあ最後に脚を伸ばしてくるアニメはどのアニメになるか!」

 

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「(あくあさんは実況民に数えていいのでしょうか……)」



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「先頭はジャシンチャンツハメツフラグが抜け出したか!しかしシロネコプロジクトカミノトウアルテが一気に伸びてくる!ナミヨキイテクレも譲らない!そして後ろから来ました来ました!カクシゴトプリンセスコネクトもすごい勢いで伸びているぞ!さあジャシンチャンツハメツフラグハメツフラグジャシンチャンツジャシンチャンツ先頭でゴールイン!3着以下は全く並んでいます!」
 

 

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「最後は各アニメドッと流れ込んできました。後半駆け上がったアニメもあってみどころ十分の直線でしたね」

 

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「最後の直線について解説お願いできますか、syocoセンパイ!」

 

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「はい。まず勝ったジャシンチャンツですが、中盤から脚色衰えずに直線に入って、最後まで安心感のある走りでしたね。10話の実質最終回の締め方も見事でしたし、総集編、千歳編と普段と違うスタイルでもこのアニメらしい空気感を保ったままできたのが素晴らしかったです。2着に敗れたハメツフラグも見事な走りで、最後の直線も会長回りのシリアスをやりつつ、カタリナの魅力と描き切ってのラストカタリナ全方面ハーレムエンドは文句なしです。相手が悪かったですね。3着以下ですが、グンと脚を伸ばしたアニメもあれば、直線でちょっと消化不良に終わってしまったアニメもありました。特に良かったのはアルテカミノトウですね。アルテヴェネツィア編から良さを出してきたのはありましたが、カタリーナとアルテとの関わりを踏まえての最終話アルテが自らの持つ生まれについてちゃんと受け止めて先へ進もうという姿勢がバッチリ決まっていました。美しい最終回だったと思います。カミノトウはどんどん盛り上がっていくのもさることながら、最終回である意味ネタバラシ的に情報が開示されて、それまでの話がつながっていく感覚が気持ちよく出せていました。話の内容的にはこれから始まるというところなのでしょうが、1クールのアニメとしては良いまとまりだったと思います。最終話で存在感を見せたのはカクシゴトプリンセスコネクトでしょう。カクシゴトは後藤先生と姫ちゃんの親子関係の描写もさることながら、アシスタント陣、めぐろ川たんていじむしょの面々など、まわりのキャラクターも良い立ち位置でした。何より後藤先生がマンガを描くことが好きだとちゃんと作品内で言い切ってるのが良かったですね。このあたりは原作者久米田康治という存在を知っているからこその感動とも言えそうです。プリンセスコネクトも最終話でペコリーヌの過去を明かすことでこれまでの食事描写がとたんに解像度を上げて立ち上ってくるところが見事でした。モブ準レギュラーおっさんたちをはじめとした、町の人々をちゃんと物語に登場してきた意味というのもしっかりとありましたね。物語の本筋的なところはほとんど触っていないのですが、やはり1クールの物語としてしっかり軸をもって決めているのが好印象です」

 

 

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「ありがとうございます。……さあ掲示板は1着2着はスッとあがりました。1着ジャシンチャンツ、2着ハメツフラグです。3着以下は写真判定です!」

 

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アルテカミノトウ、そして前半から前につけていたナミヨキイテクレが最後接戦となっていましたね。先ほどの続きですが、逆に最終話にブレーキのかかってしまったアニメもありました。その中で言うとやはりツグツグモモですね。前半は自身のアニメの強みをよくわかった素晴らしい走りだったのですが、最終話は強敵との痛み分け、これからが本番というところで終わってしまいました。劇中のとおり、3年後にまた続編をやったらそれこそ伝説的ではありますが、くくりちゃんや桐葉さんを失ってしまい、後味ももやもやしてしまいました。仕方がないとはいえ、学校のみんなが終盤まったく出番がなかったのも寂しかったですね。また同じく1枠のグレイプニルも、終盤に主人公まわりの謎を明かしていくのはいいとしても、最終決戦前のところで終わってしまったのはやはり消化不良でした。戦闘シーンなどはかなり気合が入っていたのですが……。同じようにこれからが本番だというアニメでも、シロネコプロジクトカミノトウのようにしっかりと区切りをつけて、12話にまとまりをもたせてくれればそういった消化不良感は感じないのですが。今期はそんな風に、最終回をどう締めるか、そのためにどのように1クールを構成するかというところについても考えが向かうクールでもあったように思います」

 

 

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「そうですね。ツグツグモモジャシンチャンツなんかは両方期待があっただけに、明暗分かれてしまったともいえるでしょうか。……さあ3着以下出ました!おおっとこれは、3着アルテ、4着ナミヨキイテクレ、5着カミノトウと出ました!しかしこれは本当に僅差だったようです!」

 

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「6着以下も差はわずかでした。良いレースを見せてもらいましたね。(あくあさんと同じ声のキャラも良い活躍を見せていましたし)」

 

 

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「ここでこの文章の筆者へのインタビューが入ってきます。どうぞ」

 

 

 

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——お疲れさまでした。まずは今期全体を振り返っていかがでしたか?

 

「そうですね。やはりコロナの影響で作品が減ってしまったことは残念でしたが、逆に自分としては放送されているアニメを久しぶりに満足いく形で追うことができて、そういう点ではすごく印象に残るクールだったんじゃないかなと思います。非常に良い作品も多かったですし」

 

 

——ではまず1着のジャシンチャンツ、2着のハメツフラグについて

 

「正直この2作品は自分の中では一歩抜け出してたかなと思います。ハメツフラグはなんといっても主人公のカタリナ・クラエスがすごく良かったですし、アニメが上手かった。私はメアリ・ハントちゃんが好きですが……。とはいえ、カタリナらしい全方位ハーレムエンドは見事でしたよね。2期も決定しているので、期待したいと思います。ジャシンチャンツの方はなんというんでしょうか、自分の方がこのアニメに完全にハマってしまったというか。中盤くらいから何やっても面白いゾーンみたいなものに入っちゃったんですよね。1期よりも全体的にレベルアップしていたと思いますし、ストーリーのないギャグ作品とはいえ、原作を再構成して30分×10(+特別編、千歳編)本にするところも上手かったんだろうなと思います。ギャグはテンポとフリなんだなということをあらためて感じました。佐藤光総監督にはほんとうに面白いアニメを感謝ですね」

 

 

——3着争いは非常に激戦でした

 

「そうですね。ほんとにどのアニメを3着にしてもいいくらいかなとは思ったのですが、主人公を通してテーマをしっかり描ききって、自分としても一番響いたのがアルテでしたので、そういう意味での3着ですかね。カタリーナちゃんもとてもかわいかったですし。ナミヨキイテクレはずっと面白かったんですけど、最終話の非日常と日常をつなぐラジオというのも良かったですね。個人的に去年のガルラジでラジオがホットなところだったので、ラジオの物語として締めてくれたのはすごく良かったです。南波瑞穂ちゃんはすごくかわいかったです。カミノトウはほんとにノーマークでダークホースという感じだったんですが、キャラクターをはじめとしていろいろなものに対する印象が見ていくうちにどんどん更新されていくのがすごく楽しかったです。アナク・ザハードちゃんも捨てがたいのですが、エンドロシ・ザハードちゃんが私は好きですかね」

 

 

——1番人気で7着だったカクシゴトについては

 

「正直期待度をちょっと上げ過ぎてしまったところはありますね。あくまで好みの話なのですが、全般的にいい話をやろうとしているのが見えて、ギャグのキレが弱かったかなというのは少し思いました。ただそれでも最終話で後藤先生がマンガを描くことが好きだと描いてくれたことが久米田のファンとしてはうれしくて、いいアニメだったなというのが偽らざる気持ちです」

 

 

 ——原作既読でいうとタマヨミもですね

 

 「これはもう原作が面白い!というのはわかっていたので、アニメについてはしっかり見守っていこうと思っていました。しかしやはり柳大川越戦で大野さんまわりの描写を削られたのが……。自分の好きなキャラだけに正直ショックでしたね。ただ中盤以降はかなり持ち直していたと思いますし、梁幽館戦も良かったと思います。アニメで中村希ちゃんがすごくかわいく描かれていて、TLでも中村希ちゃんのファンになったオタクが散見されたのは笑顔になりました。OPとEDもだんだん好きになってきましたし、梁幽館戦のブラバンやヤジなど、アニメになって良かったところもしっかりあったとは思います」

 

 

——その他のアニメについてもコメントあればお願いします

 

「そうですね、まずはツグツグモモですかね。単話レベルなら間違いなく今期でも3本の指に入る面白さがあったのは間違いないのですが、1クールアニメとしてはやはりちょっと落ちてしまいましたね。恋のすごろクイズ回でバカみたいに笑うのは本当に楽しいんですよ。間違いなく好きな作品ではあるので、ぜひ3年後に3期をやって伝説になってほしいとは思っているのですが。あとぜひコメントしたいのはハチナンッテソレハですね。ちょっとこのアニメにしか出せないようなセリフの空気感と言いましょうか、独特の味としか形容できないのですが、とにかく笑顔にさせられるアニメでした。このアニメもある意味食にこだわったアニメでしたし、味噌づくりはもちろん、最終話の豚バラ味噌炒め~カイワレを添えて~の笑顔力は異常でした。捉えようによってはサムいアニメなのかもしれませんが、自分はこれがすごく楽しくて、そういう風に感性を育ててきて本当に良かったなと思いますね。シャチバトの話もいいですか?個人的にはちょっと期待していて、良かったところももちろんあったんですけど、名作には至らなかったなという感じでした。とにかく良かったところはOPと全編に渡る抜群に良い作画とコンテですね。途中キャラクターたちの衣装もカラーが少し変わって、それがOPに反映されているところとかもすごく良かったです。あとなんといっても10話ですよね。幼馴染として、そして秘書としての接し方をするユトリアのヒロイン力が高すぎて……。いやあれは素晴らしい回でした。とはいえやはりストーリー面で弱かったところと、労働ネタがどうしても体が拒否反応を起こしてしまうところが難しかったですね」

 

 

——ありがとうございました

 

「はい。まだまだ語りたいところもあるのですが、来期も楽しみにしたいと思います」

 

 

 

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「ありがとうございました。最終の順位が出ましたね、以下のようになっております」

 

 

 

1着 ジャシンチャンツ

2着 ハメツフラグ

3着 アルテ

4着 ナミヨキイテクレ

5着 カミノトウ

6着 プリンセスコネクト

7着 カクシゴト

8着 ハチナンッテソレハ

9着 ツグツグモモ

10着 シロネコプロジクト

11着 タマヨミ

12着 シャチバト

13着 リスナーズ

14着 プランダラ

15着 カグヤサマツー

16着 グレイプニル

17着 シンサクラタイセン

18着 キツツキタンテイ

 

 

 

 

 

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「こうやって順位をつけてしまうとやはりレベルの高さがうかがえますね。11着以下にも愛すべきアニメが並んでいます。本当は全部100点!と言いたい気持ちもあるのですが……。いずれにしても冒頭で申しましたように、オタクの数だけこのレースには展開があり順位があるというところが重要ですね」

 

 

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「そうですね。実際のところは甲乙つけがたいところも多かったように思います。別の日に考えたら順位が変わっていたりということはよくありますね。それに今期は私と声の似ている女の子が多くて楽しかったです!」

 

 

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「(そうなのよね……!カタリーナ様も良かったけど、でもやっぱりあくあちゃんが一番かしら!)」

 

 

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「syocoセンパイ、本日はありがとうございました。ジェットレース以外にもこうして実況の仕事ができて楽しかったです!またやってみたいですね」

 

 

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「はい。私もとても楽しめました。自分の解説で作品たちの魅力とアニメレースの魅力をお届けしきれたかなという不安もあるのですが、楽しんでいただけたなら幸いです」
 

 

 

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「それではみなさままたどこかでお会いしましょう!実況は私万条あくあと!」

 

 

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「syocoでお送りしました。ありがとうございました」

 

 

 

2020年EXTRAドリームクール番組表

 

皆さん、アニメ見ていますか?

 

外出自粛が叫ばれる世の中、引きこもって今まで見ていなかったアニメを見たり、あるいはお気に入りの作品を見返したりしている方もいることだろう。かくいう私も今期はなかなかアニメ視聴も捗っているが、とはいえこの情勢の中、残念なことも少なくない。

そのうちの一つが、アニメの制作および放送延期である。

春クール開始前からすでに4月放送開始予定だった『魔王学院の不適合者』『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』が放送延期となり、春クールが実際に始まってからも『放課後ていぼう日誌』『天晴爛漫!』『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』『ミュークルドリーミー』など、多数のアニメが放送延期を決定している。今放送中でそういったアナウンスがなされていない作品でも、今期最終話まで予定通り放送できるアニメがどれくらいあるのかは正直わからない。

さらには、7月開始の夏クール作品への影響も強く懸念される。現状「密」を避けるため、アフレコ作業は完全にストップしているようである。この情勢が続きアフレコが止まったままでは新規アニメの制作は望めないのが現状だ。はっきり言って7月新番として放送開始できる作品がまったくなくてもおかしくはない。外出自粛、他人との接触10割減はまったく苦にならない私であるが、新アニメが放送されないとなるとこれは由々しき事態である。

 

そうやって沈んでいた私は、あることを思いついた。

 

…………面白そうじゃねえか。

 

というわけで、夢の2020年EXTRAクール番組表を組んでみた。

 

 

レギュレーション

1週間のアニメ番組表を組むといってもノーレギュレーションだと難しいので、最初にいくつかレギュレーションを決めることにした。

①本数は30分枠30本前後+5分アニメ数本

②組める時間は日曜日~土曜日の22:00~26:00の4時間とする (夕方枠、朝枠は設けない)

③実際に放送していたときの放送局や放送時間等は無視し、各時間に1本とする (複数放送局での放送時間かぶりは考えない)

④2クールアニメであれば1クール目をもってきても2クール目をもってきても良い。同様に複数期制作されたアニメであればどの期からもってきても良い。その際、同一タイトルの1期と2期のような組み方は不可。

 

いくつか補足を加えると、②に関してはドアサやニチアサ、夕方枠まで手を伸ばせる知識が自分にないため、深夜アニメに限定することにした。また、実際には28時ごろまで深夜アニメの放送はあるが、わかりやすく26時までとした。*1

③については、ノイタミナやアニメイズム枠を考慮しないということである。実際の番組表ではこれらのアニメが別チャンネルと時間的にかぶることもあるが、そういうことは考えず、1つの時間帯に1本のアニメでいきたい。アニメかぶりに対してどのアニメのリアタイを優先するかということもアニメ実況の醍醐味の一つだが、これもわかりやすさを優先した。なお、アニメ選出の際ノイタミナ作品を何本、TBSアニメを何本と制限をつけることもしていない。

また、自分が深夜アニメを視聴し始めたのが2013年からのため、2013年以降のアニメのみで組んでいる。また、当然だが最後まで視聴していない作品は対象外とした。 

 

もちろんこれらのレギュレーションは自分が考える上で決めたものであり、もし自分でもやってみようという方がいれば、もっと細かく放送局や実際のアニメ放送枠まで緻密に考えてもいいし、より自由に組んでもいい。もちろん往年の名作と最新作を同居させてもいい。ぜひいろんな方のドリームクールを見てみたいと思う。

 

 

EXTRAドリームクール番組表

前置きが長くなったが、さっそく私の組んだ番組表をご覧いただこう。

 

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30分枠×32本(うち1本は15分×2)、5分枠×3で、合計36タイトルとなった。以下、まず最初にクール全体、次に曜日ごとの所感や自分が組んだ際のポイントやこだわりなどを記していく。

(※各アニメ横にはそのアニメ本放送時のクールを記した) 

 

全体所感 

まずどのように組んでいったかのところを軽く書いておこう。

まず、これまで視聴したアニメの中から「このアニメがクールにあるとうれしい!」と思う作品をリストアップ。(この段階で5,60本) 自分の場合は土曜日の25時~26時を1週間で一番濃い1時間にしたかったため、ここに自分の一番好きなアニメであるチアフルーツをセット。それと組むのに適した作品を、という頭で六畳間を選出。土日は体力的にもTLの活気的にも充実しているため、全体的に「濃い」アニメを多めで選出した。このあたりは自重せず選んだつもりだ。その分月曜は本数を抑えめ、火曜は内容を抑えめで組んでいく。逆に金曜は週末突入ということもあり、全体的にはっちゃけた組み方をした。

全体でいうと、結果としてラノベ原作アニメの割合が高くなった。*2ここはもう完全に自分の好みなので予想はしていた。曜日ごとのカラーをある程度もたせたかったため、ラノベ原作は金曜日にかためて、逆に日曜日は意図的に排除したりした。

他には、出演声優のつながり、あるいは一部表面的なつながりをさしはさんでみた。具体的にいえば木曜24時台の小澤亜李アワー、水曜23時台のFAG(フレームアームズ・ガール)→GAF(ガーリー・エアフォース)で略称ややこしいアワーなど。

こだわったのはやはり各曜日のスタートとクローズ。特に個人的に完璧にハマっているのは土曜を始めるゼロ書と水曜を締めるしょびっちだ。

最終的には各アニメの主題や舞台、出演声優などのバランスを考えて微調整。とはいえご覧になってわかる通り、かなり偏ったクールになってはいる。男性声優がたくさん出演するタイプのアニメといえば、バディコン、セシル、ファントワ、アクティヴレイドといったところか。このあたりは反省点でもあるが、バランスだけ考えてもつまらなくなってしまうのでご愛敬といったところだろう。

それではさっそく、以下日曜日から見ていきたい。 

 

日曜日 

22:30~ アニメガタリズ (2017)

23:00~ 帰宅部活動記録 (2013)

23:30~ Re:ステージ!ドリームデイズ♪ (2019)

24:00~ ウマ娘 プリティーダービー (2018)

24:30~ アニマエール (2018)

25:00~ XL上司。(5分枠) (2019)

25:05~ AKIBA'S TRIP -THE ANIMATION- (2017)

 

上述の通り、かなり詰め込んだ濃い曜日。まず日付が変わる24時からの枠にウマ娘をセット。これは実際の放送時間*3と同じだが、主人公がスペシャルウィークであり、1週間の始まりにふさわしいと思ったから。続いてウマつながりでアニマエール(有馬ひづめ)。週始まりに応援してもらえることのうれしさもある。そして余韻をぶち壊すXL上司。これは完全に僧侶枠で、無理に入れる必要もないのだがあの主題歌は押さえておきたかったため。ここ以外は正直最後まで難航したが、ドリームクール、その日曜日の一発目のアニメにふさわしいアニメは何かと考えたとき、アニメガタリズのメタ視点は欠かせないだろう、という観点から決定。千本木さんつながりで帰宅部活動記録もこの後にセット。リステDDも入れるとすればここしかなかったため、23時台が濃くなりすぎるとは思ったもののここは自重せず詰め込んだ。アイドルアニメはやはり一本ほしいし、一応ウマ娘とアイドル的要素で橋渡しもできる。(ウイニングライブのこと覚えていますか?) XL上司でクローズでもよかったが、メタ視点で始まった日曜日を同じくメタ視点をもったアニメで閉じることでこの「濃い」日曜日も締まる感じがあったので、最後にアキバズトリップをもってきた。

 

月曜日

24:00~ バディ・コンプレックス (2014)

24:30~ このはな綺譚 (2017)

 

打って変わって本数を抑えた月曜日。週の初めからあまり飛ばし過ぎてもよくない。とはいえ、近年のロボットアニメではかなりの秀作であるバディコン大野柚布子さんのわにゃボイス*4がヒーリング効果も高いこのはな綺譚で高い安定度と確かな満足度を誇る。バディコンの目玉焼きに何かける派?CMは本クールのベストCM賞にもノミネートされるだろう。(対抗馬はリステの「パズルでもあるね」CM、ウマ娘武豊CM、人生相談テレビアニメーション「人生」の「人生は、安い!」CM、マキャヴェリズムの「ブ↑ルーレイ!」CMなど。レベル高いな)

 

火曜日 

23:00~ 超次元ゲイム ネプテューヌ (2013)

23:30~ ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル (2014)

24:00~ ハンドレッド (2016)

24:30~ Phantom in the Twilight (2018)

25:00~ ワルキューレロマンツェ (2013)

 

火曜日、水曜日も含めて週半ばであり、深夜アニメ視聴の体力的には少しつらい曜日でもある。(個人の感想です) そのため、箸休め的な作品をチョイスした。とはいえどれも必要なピースだ。まず最初にクローズとしてワルロマをセット。7話「風車の下で」は言わずもがなテン年代ベストエピソードの有力候補となるあまりにも天才的なエピソードであり、これ一点だけでもこのドリームクールに選ばれるに足る。もちろんそれ以外も完成度は高く、ウマ娘とのウマつながりも見逃せない。逆にスタートにはネプテューヌをチョイス。天才的に頭の悪い画面が疲れた体に染み渡る。続く弁魔士セシル、これは少し説明が必要だろう。このアニメ自体はそれほど評価は高くなく、自分も特に好きな作品というわけではない。だが、このアニメの持つ大きな特性はズバリ、ヒロインのCVが田辺留依ということである。田辺留依ヒロインの大いなる可能性を今でも信じている私にとって、なんとかして入れたい作品なのだ。同様に龍ヶ嬢七々々も候補にあったが、漆黒のカーテンが引きちぎられるOP、田辺留依歌唱のED、脇を固める実力派声優などの観点からこちらのセシルを選択した。時間割的にもここならうまくハマってくれるだろう。少し長くなったが、続くハンドレッドは説明不要。名曲『EYES ON ME』は必聴。続いてファントワ、放送当時インターネットのごくごく一部界隈で「Phantom in the Twilight 脚本当てクイズ大会」が行われたアニメだが、こういうアニメがクールに一本あると非常に良いクールになるというお手本のようなアニメ。以上、個人的にかなりお気に入りの火曜日である。

 

水曜日

22:54~ 鬼斬(5分枠) (2016)

23:00~ フレームアームズ・ガール (2017)

23:30~ ガーリー・エアフォース (2019)

(1時間空き)

25:00~ 大家さんは思春期!(5分枠) (2016)

25:05~ 僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件 (2017)

 

水曜日は5分枠アニメが2本。スタートを飾る鬼斬はいろいろと挑戦的な作品だ。もう一つ、1時間の休憩を挟んで始まる大家さんは思春期はかわいいの詰め込まれた最強の5分アニメ。ドリームクールを組むなら外せないだろう。えぶりんぐ主題歌という点もポイントが高い。23時台のフレームアームズ・ガールガーリー・エアフォースはそれぞれ略称がFAGとGAFとなりややこしい、というボケ先行の座組であることは否定しない。とはいえ、いずれも名作。轟雷たちの「感情」の物語であるFAGと、アニマという未知の存在が持っている「感情」の正体を問うGAFの対比も効いている。FAGは言わずもがな土曜日の超可動ガールと対になるし、GAFの方も空を舞台にしているという点で同じく土曜日のあおかなに通じるところがある。もしかして俺、アニメの時間割を組む天才か? さて、この水曜日のキモはなんといってもクローズのしょびっちだ。はっきり言ってしょうもないとしか言いようのない下ネタの連続と妙に甘い作画、悠木碧さんの確かな演技と他ヒロインたちを演じる新人声優たちのみずみずしさ、最高のED映像、これぞ深夜アニメである。ガーリー・エアフォースの後1時間空くことで大家さんとしょびっちの実況はそれほど多くないのだけど、自分はむしろこのしょびっちのために眠い水曜日の夜を起きていることで確かな達成感を得ることができるのだ。

 

木曜日

22:30~ 私、能力は平均値でって言ったよね! (2019)

23:00~ ばくおん!! (2016)

(30分空き)

24:00~ アクティヴレイド -機動強襲室第八係-(1期) (2016)

24:30~ この美術部には問題がある! (2016)

 

木曜日の目玉はなんといっても24時台の小澤亜李アワーである。アクティヴレイドこの美、それぞれの小澤亜李にそれぞれの良さあり。(亜李だけに) 30分の空き時間は、この小澤亜李アワーを際立たせるためにあえて空けてある。この前の1時間はわりとなんでも入るような感じで何を入れるか迷ったが、往年の名ラノベ原作アニメの詰まったクールの中に一本はなろう系アニメが欲しいという観点からのうきん、それからジュンジュンこと西村純二監督枠としてばくおん!!を選定。のうきんのところは賢者の孫でも良かったかもしれないし、今期のはめふらが放送終了していたらぜひ入れたくもあった。ただCV和氣あず未さんのヒロインはやはり一作品は欲しいし、OPEDの名曲指数を考えてものうきんは妥当か。

 

金曜日 

22:00~ 人生相談テレビアニメーション「人生」 (2014)

22:30~ セントールの悩み (2017)

(1時間空き)

24:00~ 学戦都市アスタリスク(2期) (2016)

24:30~ ゲーマーズ! (2017)

25:00~ デート・ア・ライブ(1期) (2013)

25:30~ 俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している (2013) 

 

というわけで、一週間待ちに待ったりコテコテの金曜日である。まず開幕の人生相談テレビアニメーション「人生」で一気にブーストをかける。労働で疲弊した体もこれを見れば一気に深夜アニメの口になるというもの。続くのはセントールの悩み。なかなか評価が難しいアニメではあるが、突然放たれるえっちな回は破壊力十分。合わない回でもこの後1時間の空きがあるので風呂にでも入ってリフレッシュすればよい。私は「いつかセントールの悩みを全話視聴したことが大きな財産となる日が来る」というツイートを残したこともあるが、具体的には異種族レビュアーズの視聴とかに役立っている気がする。あと大きな声では言えないがピュアリーモンスターのOPはけっこう好き。24時からは怒涛のラノベ原作アニメ4連発。開幕アスタリスク(2期)はみんな大好きなんかトーナメント的なのをするやつ。みんなが刀藤綺凛ちゃんや沙々宮紗夜ちゃんで萌えているあいだにユリス=アレクシア・マリー・フロレンツィア・レテーナ・フォン・リースフェルトちゃんはもらっていくのでね。続いてPINE JAMの放つ名作ラブコメゲーマーズ!石見舞菜香さんはもちろんのこと、大久保瑠美さんの声も堪能できる。このクールにおいて純粋な意味でのラブコメアニメがこのゲーマーズ!になるので、重要なピースとなる。そしてデート・ア・ライブ(1期)である。このアニメがあるおかげでこのクールのすべての作品におけるデートシーンが映えてくる。あとやはり野水いおりさんの歌声が聴けるアニメは一つは絶対に欲しいので。ここはチャイカ(1期)ともかなり迷った。金曜日のラストを飾るのはのうコメネプテューヌアフィリア・サーガでかぶり、しょびっちチアフルーツとともに今期の三大ディオメディア作品の一角をなす。そしてなんといっても稲垣隆行監督作。「選べ。」「お断り5」などの使い勝手もいい。絶対にみんなでOPで逆立ちしような。

 

土曜日 

23:00~ ゼロから始める魔法の書 (2017)

23:30~ 蒼の彼方のフォーリズム (2016)

24:00~ 武装少女マキャヴェリズム (2017)

24:30~ 超可動ガール1/6(15分枠) (2019)

24:45~ ヤマノススメ サードシーズン(15分枠) (2018)

25:00~ 六畳間の侵略者!? (2014)

25:30~ アクションヒロインチアフルーツ (2017)

 

一週間のクライマックス。泣く子も黙る土曜日である。まずは開幕ゼロ書でスムーズに入っていく。花守ゆみりさんの落ち着いた低音が全編にわたって堪能できるアニメであり、はちゃめちゃなものをチョイスしがちなラノベ原作アニメの中でも、一際しっかりとしたストーリーラインと比較的落ち着いた画面で見せていく優等生アニメ。続いて土曜日の一つ目のヤマ、あおかな。エロゲ原作としてはワルロマと対になるものの、エロはほどほどに架空スポーツものとしては外せない超名作アニメ。競女、神田川等の架空スポーツものを抑えてここに立つに貫禄あり。息つく間もなく24時からはマキャヴェリズム。畠中くん主人公のアニメがあるうれしさよ。悪いオタクは天下五剣を見て大東亜帝国を当てはめる。松根マサトOP(監督の橘秀樹氏と共同)も1クールに一本あるとうれしいんだよな。24時半からは15分枠×2。というのも、25時からの1時間をクライマックスとしてもってくるためにその前にほんの少しでも小休止をもってきたかった。とはいえ、超可動ガールヤマノススメサードシーズンで小休止になるわけもなく。A応P主題歌も光る超可動ガール、当然FAGとの対比で同クールに組む意味があるわけだが、M・A・Oさんと千本木さんがヒロインたちの中にいる良さは大きい。ヤマノススメサードシーズンは、やはり雪村あおいがいるとそれだけでクールにハリとツヤが出てくる、そういうものだろう。15分枠ということでいえばセカンドシーズンでもいいような気はするが、ここは私の好みで。そして25時からは個人的なクライマックス。私の思うテン年代を代表するアニメがアクションヒロインチアフルーツであるので、まずここを土曜日のラストにもってきた。チアフルーツと1時間を形成すると考えたとき、まずこれに負けない作品でなければならない。ただここでガチンコ勝負をするとクール全体のバランスを損なう恐れがあり、直球のド名作というよりはむしろいなすような、爆発力よりも後々まで音が響くような名作が欲しい。というところで白羽の矢がたったのが六畳間だ。もちろんハート インベーダーの存在感は大きいが、EDのプチミレ、主人公が中村悠一など、投げっぱなしにならない安定感が確かにある。チアフルーツに関しては思い入れの強いアニメなので細かくは語らないが、自分がドリームクールを組むにあたって軸に据えたアニメであることは間違いない。このチアフルーツのために1週間を生きる感覚だ。地味にブリドカットセーラ恵美さん枠としてもうれしい。毎週恐るべき満足感を胸に眠りにつく土曜日。これを幸せと言わずしてなんと呼ぶか。

 

 

おわりに

やってみるとこれがなかなか楽しい。どのアニメをどこに配置するかということについて、自分なりの理由付けやこだわりポイントを詰めていくところにこの行為の醍醐味があると感じた。こうして選んでみるとどのアニメも愛着が湧く。もちろん、非常に好きなアニメであってもこの中に入れることのできなかったアニメも多い。単純なベスト30で選んでいるのとはまた違うというところも面白いところだと思う。一度この番組表に合わせて1クールを過ごしてみたいという気持ちがある一方、やはりこれが必要なくなるくらい普通に新番アニメが放送されてほしいという気持ちが一番である。

振り返ってみると、やはり偏っているというか、まあそもそも本放送時に完走できなかったアニメは入れようがないので当たり前といえば当たり前な気はする。とはいえ、これが自分の通ってきたアニメ道なのだと感じ入るものもある。みなさんも人生を振り返るような気持ちでひとつ、この機に自分だけのドリームクールを組んでみてはいかがだろうか。

 

 

おまけ データ置き場

・本放送年度ごとの本数

2013年:5本

2014年:4本

2015年:0本

2016年:8本

2017年:10本

2018年:4本

2019年:5本

 

2015年産アニメが0本という意外な結果に。2016年と2017年が多い。

 

・季節ごとの分布

春:10本 (27.8%)

夏:11本 (30.6%)

秋:8本 (22.2%)

冬:7本 (19.4%)

 

こちらの分布はわりと印象通り。ちなみに各曜日の最初と最後のアニメにあたる14本を対象にすると、春と冬がともに2本ずつ、夏4本秋6本とまた違った傾向が見えてくる。

 

・原作のメディア

アニメオリジナル、ラノベ原作、マンガ原作、ゲーム原作(便宜的にソシャゲ、メディアミックスをここに含めた)の4つに分けた。

アニメオリジナル:7本

ラノベ原作:10本 (のうきんはここに含めた)

マンガ原作:12本 (勘違いされやすいがしょびっちはマンガ原作)

ゲーム原作:7本 (リステ、ウマ娘はここに入れた)

 

意外?とマンガ原作が最多。

 

 

以上。重ねてになるがみなさんもぜひ一度やってみてはいかがだろうか。

対戦よろしくお願いします。

 

 

 

2020.05.19 追記

 

ありがたいことにたくさんのアニメオタクたちがこの企画をやっていただき、自分もとても楽しめた。まとめとして、はるのおと氏がドリームクール企画でタイトルの上がったアニメをカウントしていただいたので、その記事をここに貼り、みなさんへの感謝とさせていただく。こうやってみると、(この中で)人気の作品だけでなく、自分しか挙げなかった作品もいくつかあり、自分の中のオタク心は大変満足している。

 

 

t.co

 

 

 

*1:関西にいたころは10時台から始まるアニメはほとんどなかったし、火曜日と土曜日に26時ごろから28時ごろまでの放送枠があったりした

*2:後ろのデータ置き場にある通りマンガ原作の本数の方が多い

*3:違法電波MXとオタク御用達BS11

*4:「わにゃ」は天使の3P!の方

ギャンブルをやっている

今週、ほぼ毎日麻雀をしている。

日曜の夜、大学時代に幾度となく卓を囲んだ友人たちから日曜の夜に突然LINEが飛んできて、曰く麻雀をするからはやくしろボケとどやされた。昨今の外出自粛にしびれを切らしたのだろう。

といってももちろん雀荘に集まるわけではなく、麻雀アプリのローカルルーム機能みたいなのを使ってやるぞということらしい。LINEのルームトークで通話をしながらアプリの方で打つのだ。私はちょうど録画でアニメを見ていたので、見終わるまで待ってもらって(待たせて)打ち始めた。その日の深夜アニメが始まるまでには抜けようと思っていたが、結局4,5時間で10半荘打ってしまった。もちろん、みんなでおしゃべりをしながら楽しくへらへら打つような麻雀はしない。通話ありと言っても飛び交うのは罵詈雑言と私の小ボケくらいであり、なんならほとんど無言でただ粛々と打つ。全員せっかちなのでテンポはかなり速く、とてもなにか別のことをしながら打てるものでもない。

 

その日は深夜1時半ごろ解散となったが、どういうわけかそれ以降毎日麻雀が開催されている。プロ野球も真っ青の過密スケジュールである。基本毎日4半荘。まあ2時間かからないくらいで、在宅勤務により通勤時間がなくなったと思えばトントンである。ただやるだけでもあれなので、昨日は帰宅部の円盤を流しながらやった。負けた。今日は委員長の配信を流しながらやった。うるさいと怒られたけど勝った。

ちなみに帰宅部円盤は麻雀覚えたての時期に手積みでやっていたころ、よく友人宅で流しながら卓を囲んでいた。そういう思い出があったりする。

 

 

私はどうもギャンブルは好きな質らしい。一昨年の皐月賞(ちょうど2年前だ)から始めた競馬も、気づけば2年、とくにここ半年ほどは毎週土日ほとんど休むことなく馬券を買っている。まあハマっているといって差し支えないだろう。競馬の方は始めて2年、合計でおそらく10万円くらいはマイナスなんじゃないだろうか。回収率で言えばたぶん7割台くらい。つまり馬券を30万円以上は購入しているということになる。月に1万円ちょいと思えばそんなものかなと思うが、ここ最近は月2~3万は馬券を買っている。ちなみに買うのはほぼ10~12Rのみ。未勝利戦とかはわからない。好きな馬はユーキャンスマイル。こないだ阪神大賞典で稼がせてもらったので。

 

 

ギャンブルの話で麻雀を出すのはわりとグレーなので、それに関してはここでは極力スルーでいきたいが、ともあれ自分はギャンブル気質な人間であることは間違いなさそうだ。自分の中に破滅願望が潜んでいるのも感じる。ちなみにパチンコはやったことがない。ドラクエⅣの闘技場でコイン賭けるやつはめちゃくちゃやった。

 

昔、小学生のとき、近所……といっても家から2駅、徒歩だと3~40分くらいの駄菓子屋で、当たり付きのガムかなんかをめちゃくちゃ、記憶によれば千円くらい買ったことがあった。何等が当たれば〇〇円!みたいな、今思うとそれ大丈夫なのか?みたいなやつだった気がするが、さすがに現金ではなかったかもしれない。一つ間違いない記憶としては、ハズレは「トランプのカード」だった。もちろん全52+1枚あるトランプのうちの1枚だ。

小学生にとって千円とは大金である。それをこともあろうにガキから金を巻き上げるだけの質の低いギャンブルに全部つぎ込んだのである。途中から駄菓子屋のおばちゃんだかおばあちゃんだかにも心配されたし、家に帰ってからバラバラで大量にある謎のトランプが見つかったところから顛末がバレ、親に相当怒られた。小学生のときの記憶なんてほとんどないが、あの日おばちゃんに心配され、金をすっからかんにして帰ってかなり怒られたことはなかなかはっきりと覚えている。あとこれはついでだが、夏まつりの夜店によくある、当たりくじの入ってるのかどうかもわからないくじ引きの屋台で貴重なお小遣いを使い切る小学生でもあった。

 

親から言われた。「あんたギャンブルとかめっちゃハマってまうタイプなんやからホンマに気ぃつけよ」その言葉を胸にここまで生きてきた。あの日の悔しさ、バラバラのトランプをポケットに詰めて帰る帰り道のあの情けなさ。それを忘れることはできなかったからだ。もうあんな思いはするまい、そう思ってここまで生きてきた。……はずなのに。

 

 

明日も馬券を買う。おそらく来週も麻雀を打つ。当たったときの気持ち良さを忘れられないから。上がったときの気持ち良さを忘れられないから。でも、破滅するまで馬券を買わないでいられるのは、きっとあの日があったからに違いない。

 

 

ギャンブルのいいところは、結局のところ運だってことである。結局のところ運だということはつまり、負けることを怖がる必要がないということだ。勝者と敗者の間にあるのは、運でしかないのだ。どれだけ頑張っても、どれだけ時間をかけても、そんなことは運の前では小さなことである。もし、頑張れば必ず勝てる、強ければ必ず勝てるというものがあるとするならば、それはすなわち、負けることは頑張っていないということであり、負けることは弱いということになる。そんなものに、わたしは恐ろしくてとても足を踏み入れることができない。自分が頑張っていないということを、自分が弱いということを、毎度毎度突き付けられてそれでも努力を重ねられるほど自分は負けず嫌いでもないし、辛抱強くもない。努力なんて運の前ではちっぽけなものでないと、恐ろしくて自分は努力なんてできないだろう。

 

 

人生というやつも、なかなかに運要素が強い。努力教のみなさんは、努力は実を結ぶと信じているから努力をするのかもしれないが、わたしはそんなことはないと信じている。そんなことはないと信じているから、たまには頑張ってもいいかなと思える。

 

わたしは意味のないことが好きだ。役に立たないことが好きだ。努力なんて、大きな運の前では意味のないことだということを嫌というほどわからされたこれからの人生で、自分は今度こそ、努力を好きになれるだろうか。

 

 

かってに懐古

 

明日、というか今日の24時、アニメ『かくしごと』が放送開始となるのを前に、私はかつてアニメの放送前に感じたことのない緊張感を覚えている。この気持ちをとりあえず何かにぶつけなければならない、そんな思いで深夜にちょっとだけこの文章は書かれている。

 

つまり何かといえば、久米田康治なのだ。大なり小なり我々は久米田を通ってきた。わたしは小なり、いや中なりくらいか。

高校生のときに絶望先生の単行本を買ったのが久米田作品との出会いだった。高校の帰り、乗り換え駅のそばに当時新しくできた大型のショッピングモール、その中に入っている書店でよく買っていたのを覚えている。もっと言えば、きっかけは『ハヤテのごとく!』だった。いわゆるポロロッカ現象だったのだ。ちなみにその後さらにポロロッカして改蔵にたどり着くことになる。改蔵は家から自転車で2,30分行ったところにある古本屋で単行本を集めた。

 

はっきり言って絶望先生は面白かった。今でこそ改蔵の方が面白いと言ってしまいがちだが、なにはともあれ絶望先生は面白かったのだ。当時はまだ世界が今よりグンと狭かったので、大したことないネタでも「自分だけがこのネタを理解できる」と思い込むのはたやすかった。そしてそれができれば、もう勝ちも同然だ。コマの中にネタを散りばめていたのも幸いし、ネタを「発見」するために何度も何度も読んだものだった。

女キャラが多いのも単純に良かった。自分は誰が一番好きか?うーむ。多分奈美か千里だと思う。奈美か千里で答えるの、好みが謎だ。ちなみにキャラソンだとあびるの『キリトリ線』が一番好きでよく聴いた。

 

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ここが勝負の分かれ目よん

 

当時はYoutubeでとにかく絶望先生の主題歌、キャラソンをひたすら聴いていた。(ハヤテの主題歌とキャラソンもひたすら聴いていた) だが、アニメ本編は結局あまり見た記憶がない。原作を読んでいるからいいやと思っていたのだろうか?絶望先生の曲だと上述の『キリトリ線』、『デッド・ラインダンス、デス』、『ほれっ・ぽい』、あとはやはり『空想ルンバ』、『強引 ni マイ Yeah~』だろうか。あとこのへんはMAD動画をひたすら見ていたので本当のOP映像がどんなのかいまだによくわかっていないところがある。『はっぴぃ☆なんちゃら』も好きでよく聴いていたが、いまだに絶望放送は聴いたことがない。

 

ここらで当時のように曲を流しながらまだまだとにかくダラダラと書き進めていく。その後絶望先生のアニメ3期は自分にとって記念すべき人生で初めて深夜アニメのリアタイをしたアニメだった…………と言いたいところだが、その1クール前にやっていたハヤテの2期の方が自分にとって初めてリアタイした深夜アニメになる。これ久米田は嫌がるだろうな…… ハヤテも自分にとっては避けて通ることのできない作品なのだが、それはまた別のところで。

私が絶望先生なるマンガを読んでいたことは家族にも当然知られるところであり、妹も久米田作品のファンであったため、録画されたそれは家族での夜の食卓で再生されたりもした(気がする)。父親は特撮・映画のオタクで母親はガンダムとかバトルフィーバーJが好きだったらしく、まあ別に趣味をとやかく言われたことはない。あと二人とも筋肉少女帯を知ってたりした。書いてたらまた見たくなってきたな。

 

ちなみにポロロッカ現象は他にもあり、絶望先生きっかけで筋肉少女帯にもハマることになった。サブスクにもあるので今でも普通に聴いてます。『レティクル座妄想』はクソみたいな満員電車でもよくお世話になったものだった。

 

 

中学のとき、シューベルト似の同級生が学校に絶望先生の単行本を持ってきていたのを覚えている。当時自分は絶望先生を知らなかったが、今思えば人生の重要なピースの一つだ。ちなみにハヤテの単行本を学校に持ってきていたヤツもいた。

高校のときも絶望先生の話ができる友人がいて、彼とは仲良くさせてもらった。ある日朝土砂降りの中登校したら警報が発令され、1時間目が始まる前に当日の休校が決まったことがあったが、その日彼を迎えに来た車に乗せてもらい、彼の母親に家の近くまで送ってもらったこともあった。その節は助かりました。

 

 

せっかくなので改蔵の話も少ししよう。上述のように絶望先生からのポロロッカで入り、家から少し離れた古本屋でせっせと単行本を集めた。ほんとに初期は下ネタマンガだったんだ……と思ったのを覚えている。パッと思いつくところだと、(笑)を付ければ大丈夫のネタや自作自演女優賞のネタなどが頭に浮かぶ。なんだかんだ名取羽美が好きだった。

ちなみに小学生のころコロコロコミックを読んでいて、中綴じの読者投稿大喜利コーナーみたいなところにオススメのサンデーマンガフローチャートみたいなものがあったことがある。質問に答えながらそれを辿っていくと、無事かってに改蔵にたどり着いたことを鮮明に覚えている。もう17,8年は前だっただろうか。あれ以上に的確なフローチャートを私は知らない。

 

結局その古本屋では最後の数巻は手に入らず、後に発売される新装版で初めて最終話を読むことになる。ちなみに新装版全巻を大学の友人から譲り受けたので全巻今家にあります。

 

 

その後、2012年夏に久米田が原作を、作画をヤス氏が担当した『じょしらく』のアニメが放送される。久米田が絵をかかず原作をやっているということで絶望先生でもよくネタにされており、名前だけは知っていたが結局マンガを読んだことはなかったので、アニメ化されるということで見てみようかな……と思ったのがターニングポイントだった。当時大学生となり一人暮らしを始めていたが、アニメ視聴の習慣はなかった。そんな自分が今のようにアニメを見て実況することを覚えたのは間違いなくじょしらくがきっかけである。そんなわけで、やはり久米田には足を向けて寝られないし、自分の人生は久米田なしには語れないと思ってしまうのである。

もちろんアニメの方も非常に面白く、画はかわいいのにセリフ回しだけで「久米田だ!」と思えたのは楽しかった。

 

 

久米田が画集を発売し、原画展を開催したことがあった。もちろん購入し、原画展は妹と一緒に行った。そこには交流ノートのようなものがあり、自分は今や立派にダメ絶対音感を獲得しました、みたいなことを書いた気がする。そのノートには単行本の読者投稿イラストコーナーでよく見る名前の方も書いておられ、それを見つけたときはとてもうれしくなったことを覚えている。最初はごく狭い中で好きだった久米田康治というマンガ家には、本当にたくさんのファンがいるんだと、当たり前といえば当たり前なのだが、そんなことを思った。ツイッターでもそうである。やはりというかなんというか、ツイッターに入り浸るようなオタクの中には久米田作品のファンというのはそれなりにいるのである。自分の歩んできた道は自分だけの道でもなんでもなく、大勢のオタクの一人でしかなかったんだと、答え合わせをさせられている気分だ。でも悪くない気持ちかもしれない。みんなで酒でも飲みながら久米田作品の想い出語りをやろうじゃねえか。

 

 

あー、最後にかくしごとの話をしよう。(せかどろは正直……あんまり覚えていない) 連載が始まり単行本で1巻を読んだときは、満を持してセルフパロディきたな……と思った。久米田ファンにはウケるし自分も楽しいけど久米田この路線書いてて嫌にならないかな、とも少し思った。4巻まででいったん放置してしまっていたが、この度アニメ化決定を機に5巻以降を一気買いし、この文章を書いている段階では6巻まで読んだところだ。

最初はセルフパロディ要素にばかり目がいってしまっていたが、単行本の描きおろしページも含め、父と娘の話というラインを頭の隅に置いて読むとまた違った味わいが加わることに気付いた。なるほど、確かにこれは名作になるかもしれない。そう思うとアニメ放送が途端に緊張してきたのだ。じょしらく放送から8年(8年!?!?!?!?!?!?!?!?)、まがりなりにも毎クールそれなりの本数のアニメを見続けて、アニメオタクの端くれを名乗ろうかという自分が、ここにきてついに久米田作品のアニメをリアルタイムで見ることになるのだ。自分のオタク人生、その最初期に大変世話になったものに、もういい年になってあらためてアニメという媒体で向き合うことに非常に緊張している。アニメ放送は、リアルタイム実況は、インスタントであり、そしてウソがない。そのとき、その瞬間、面白いと思えるか。どんな感想を抱けるか。試されていると感じる。あるいはそんなことを考えず、絶望先生を初めてテレビで見たあの日の深夜のように、じょしらくを見てツイッターにいそいそと書き込んだあの日の深夜のように、ただ素直に楽しめるのが一番いいに決まっている。でもまあ、今こんな文章書いてる時点で無理ですね。久米田の、久米田作品のファンはインターネットにいっぱいいるし自分よりずっとファンだという人はそれこそたくさんいるだろう。自分は南国すらほとんど読んだことがないようなオタクだ。それでも久米田作品アニメ化前日の夜にこんなよくわからん文章を書いているオタクはまあ「それっぽい」んじゃないですか。

 

久米田康治ファンのみなさん、仲良くしてください。

 

あー緊張してきた。久米田康治ワールドWikiサイトでも読むか。

 

 

日記20200222_EXPASA富士川ガルラジコラボイベント

2020年2月22日土曜日、その日はとても充実した一日であったので、日記くらいの気持ちであまり整理はせずに文章として残しておきたいと思う。

 

朝起きたのは6時前だったが、家を出たのは結局7時過ぎだった。家から鈍行で富士川駅まで3時間半ほどといったところか。途中品川駅で今から新幹線課金をすれば1時間は早くつけることに気付いたが、椅子から立ち上がろうとした瞬間にドアが閉まったので結局えっちらおっちら鈍行を乗り継ぐことになった。まあいいだろう、今日はサービスエリアに行くだけなのだから。しかし結論から言えば、この日サービスエリアに3時間ほどいたのだが、まだまだ堪能したかったという気持ちだったので、新幹線課金をするかもっと早く家を出ていればよかったなと思っている。行きの電車では先週作った葬式セトリ(自分の葬式で流してほしい曲群)をシャッフル再生したり、昨日公開されたばかりのエビストのB.A.Cのサイドストーリーを読んだりしていた。

 

天気の方は、朝の天気予報では曇りもしくは雨ということだったが、途中まではかなり晴れており、これなら現地でもいい景色が見れるかなと少し期待していた。しかし富士川駅に着いたころには、すでに空は半分雲に覆われており、富士山を見ることはできなかった。

 

さて、富士川駅に着いてからは徒歩でEXPASA富士川に向かう。年始に一度徒歩で向かっていたので、地図を何も見なくてもたどり着けたことがうれしかった。徒歩30分。上りの方の歩行者出入口から入ろうとすると、ちょうど地元のおじいちゃんっぽい人二人が富士川楽座のビニール袋を提げながら歩いて出てきたところで、この歩行者用出入口利用してるのってガルラジのオタクだけじゃないんだ……と感動した。

 

着いて建物の中に入ると、さっそく富士川の三人のアナウンスが聞こえてきた。音声はあまり大きくもはっきりもしていなかったし、休日のサービスエリアの雑踏に紛れてなんと言っているかは聞き取れないくらいだったけれど、確かにあの三人のアナウンスの声が聴こえてきた。1年前、オタクたちの妄想でしかなかったことが現実になっていることが果てしなくうれしかった。当時はガルラジの質感であったりとか実在性の部分との関連でそうしたサービスエリアでのアナウンスがあったらいいなーと話していた記憶があるが、実際に耳にしたときに感じるのはそうしたこねくり回したものというよりも、もっと単純な「うれしい」という気持ちだったんだなとわかった。

 

建物内をうろうろしていると早々にオタクと合流できたので、そのまままずは山北さんが語りを担当したプラネタリウムに向かった。その回にいた数人は全員ガルラジのオタクだったんじゃないだろうか?プラネタリウムが始まると、いきなり聞き覚えしかないBGMが流れてきてさすがに吹き出してしまった。山北さんの語りもどことなくアユチのポエムを彷彿とさせるもので、そこもかなりニヤニヤしてしまった。プラネタリウム自体すごく良くて、プラネタリウムに行ったのが何年振りかもわからないけれど、今後は目についたらふらっと行ってみると楽しいだろうなと思った。内容に関しては私は星にもギリシャ神話にもあまり詳しくないのでそうなのかーというくらいだったが、どれかの星座の話で、そのおかげでギリシャに四季が生まれましたみたいな話になったところで「でも日h……ギリシャには四季があるから……」というツイートをしていた(脳内で)。あと、星と星をつないだ線の段階から「○○座です(イラストドーン)」にいく飛躍が全体的にすごくて(星座というのはそういうものなのだが)、マジで帰宅部活動記録の星座回(部長が昔の人のイマジネーションにキレる回です)のことがずっと頭に回っていた。

 

プラネタリウムが終わるとガルラジブースを少し見に行った。すると風が強く、全員集合のパネルが倒れてしまったので柵に括り付けられる形で移動させられることになっていた。その後雨まで降り出し、結局屋根の下に退避させられた。ガルラジイメージ動画を見ながら苦笑していたが、その後オタクの名前が並んでるやつで爆笑させられることになるとは……

 

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(風で倒れたせいか太もものところにダメージを負ってしまった彩美)

 

 

とりあえず、ということで中で食事。アユチおススメの生しらす丼を食べた。(日近商店の方の生しらす丼は年始に来たときに食べていたのでフードコートの方のを食べた。アユチの引換券ももらえたので) 料理が出来たら箸や水を取るのも忘れてまずテーブルに持っていって写真を撮った。我ながらオタクの思考すぎてちょっと恥ずかしい。しらす丼、アジフライもついていておいしかった。個人的にはきゅうりはいらなかった気がするけれど……

 

食べ終わったら引換券とポストカードを交換して再度外のガルラジブースへ。NEXCOの方に今日はどちらから?と聞かれたので「あっ、千葉から……」と答えたのだが、どうやって来られたんですか?の問いには「あっ……あの、車じゃなくて、電車と徒歩で来たんですけど……NEXCOさんにお金落としてなくて、すみません……」とちょっと肩をすぼめながら答えるしかなかった。しかしブースの方はいやいや、来てくれるだけですごくうれしいですから!と言ってくださったので、そういっていただけると……となった。こうしたイベントでグッズをどれくらい用意すればいいのかも正直わからないんですよね~という話もされていた。

そうこうしながら藤田ゆきのさんアクスタも含めた物販購入を済ませると、問題のオタクの名前が羅列された「この動画はこいつらに責任があります」画面が流れてきた。あまりに衝撃的だったので、それから20分弱あるガルラジイメージ動画を全部見て改めて例のシーンを写真に収めたりした。あの動画はおそらく本当にタグついてた写真を取捨選択することなくすべて使用していたっぽく、自分の家で撮った写真(「2019年はガルラジ!」の習字と手づくりもみじこおすしボート)もバッチリ使われててちょっと恥ずかしかった。

 

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(生産者表示)

 

 

次に観覧車フジスカイビューへ。今までに富士川は二度訪れていて、その二度ともソロで観覧車は乗ったのだけれど、今回はついに(オタクと)二人で乗ることに成功。で、中に入ってやったことといえばそそくさと先ほど下で買ったガルラジグッズを全部引っ張り出してテーブルに並べて集合写真を撮るというもの。……景色を見ろ!!!と言いたいところだが、すでに雨も降っており正直何も見えなかったので許してほしい。とにかくグッズがいっぱい広げられているとそれだけでうれしくなるというオタクの習性を感じた。肝心の富士川三人娘のアナウンスだが、はっきり言ってグッズ並べて写真を撮るのに夢中で、そこまで全部どんな内容だったかは覚えていない。ただやはりあの三人の声がEXPASA富士川の目玉でもあるこの観覧車の中に響いているのはめちゃくちゃうれしかった。あと毎回挟まれる英語のアナウンスで絶対笑ってしまうのでズルい。

 

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(大集合の図)

 

 

観覧車から降りると再度ガルラジブースへ。ガルラジへのメッセージで自分はアユチばりのポエムを縦書きで書いてやろうと息巻いていたのだが、結局何も思いつかなかったのでうーんうーんと唸りながら彩美への憧れを認めて貼り付ける。ここで車で来ているガルラジストたちと顔合わせをしたりした。やはりそれぞれ別々に来ているガルラジストたちがサービスエリアという場所で一堂に会するのはうれしくもあり面白くもありという感じで、今回のイベントのハイライトだったなと思う。

 

そろそろ時間もなくなってきたので、下り線へ移動して2000円分の買い物をして引換券を入手。時間があれば徳ちゃんの引換券も手に入れるためにもう一食ご飯を食べたかったが、電車の時間があり断念。雨の中を少し速足で富士川駅まで戻り、夜に2_wEiのライブが行われる川崎まで電車に乗って向かった。

 

 

というわけで本当は2_wEiのライブまで書こうと思ったがそれなりに長くなったのでとりあえずガルラジの話だけで終わりにする。文章中で何度も書いているが、やはり今回のイベントはとても「嬉しい」ものだった。こうやって富士川でコラボイベントが開かれたのも、チーム富士川が2ndシーズンでトップを取ったからであり、自分たちが物語の受け手として存在したからこその今があるというつながりを感じられたのだ。そして何より、ガルラジ公式から本当に楽しく嬉しかったんだという気持ちが伝わってきた。自分たちが生んだものが受け入れられ、楽しんでもらえているという喜びがそこにはあった。ガルラジにおいて公式とファンを繋ぐものは良くも悪くも非常に特殊なものになってしまったが、それでもそこに喜びの感情があって嫌だと思う気持ちがない限り、それはとても素晴らしいことなんじゃないかと、この特殊なつながりの中にいる自分は考えている。

 

 

スタンプラリー、そして晴れた日の富士山はまだ楽しみが残っている。是非とも3月中にはそれらを楽しむためまた富士川に行こう。そしていずれ、他のサービスエリアでもこうしたイベントが行われることを心の底から楽しみにしている。

 

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