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2016年テレビアニメ、話数単位で選ぶマイベストテン(20本ノミネート連続視聴方式) ―第5位~第1位―

 

nun-tya-ku.hatenablog.com

 前半↑の続き、第5位から第1位です。では第5位から。

 

 

第5位:『ハイスクール・フリート』第10話「赤道祭でハッピー!」(春)

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2016年は「はいふり」の年だった。はいふりカメラ、はいふり言えるかな、「武蔵です。」「五十六がなんとも磯ROCK!」…… はいふりが生み出したものは枚挙にいとまがない。

そんな中、「はいふり」コンテンツの中で先陣を切った春アニメ『ハイスクール・フリート』から「はいふり」らしさが存分に詰め込まれた「赤道祭回」、第10話を選出。

はいふり」の魅力はとにかくキャラクター、キャラクターの魅力が「はいふり」の魅力である。オリジナルアニメでありながらここまで「キャラアニメ」を突っ走ったのが『ハイスクール・フリート』であった。しかし、このアニメの最大級に不親切なところは、「劇中でキャラクターの説明をしない」ことであった。艦橋要員はまだしも、その他の乗員たちは一部を除いてほとんどモブ同然の扱いだった。

しかし、である。「はいふり」、『ハイスクール・フリート』を十分に楽しむためには、最低でも晴風乗員31人+2人(ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルク、知名もえか)全員のことを知っていなければならない。それらのキャラクターを覚え、親しむためのツールは豊富にある。それがはいふり公式サイトキャラプロフィールページであり、公式アプリ内のはいふりカメラであり、はいふり言えるかなであり、公式コミカライズであった。視聴者は積極的にそれらのツールを使い、自主的にキャラクターに親しむ必要があったのだ。受動的態度ではいけない、楽しむためには積極的な態度が必要なのだ。「楽しませてもらおう」なんて視聴態度ではダメなのだ。不親切さをほじくるのではない、楽しむために自分は何ができるのかだ。いつまでも「楽しませてもらおう」という態度では、今に見るアニメがなくなってしまうだろう。来期にはBS11でパッケージリマスター版の再放送がある。今からでも遅くない。キャラクターのプロフィールを覚えるのだ。全部覚えれば、こんなに楽しみにあふれたアニメはない。

さてさて、『ハイスクール・フリート』第10話の話に戻ろう。この回はもはやOVAのような、まさに「お祭り」回であり、艦橋要員もその他の乗員もほとんど同じくらい出番があり、みんなにセリフがあるという点でもとにかく「はいふり」ファン冥利に尽きる回であったと言える。必死になって覚えたキャラクターのプロフィール(例えば八木鶫と知床鈴の実家が神社であること、柳原麻侖の好きな食べ物が焼肉であること、などなど)が次々と言及され、「それ知ってる!」とうれしくなってしまう。ご褒美のような回だ。

この回の見どころはそれこそ無限にあるが、あえて3点に絞らせてもらうとすれば、「納沙」「出し物」「黒木と岬の清算」である。

まず「納沙」であるが、仲の良かったヴィルヘルミーナが晴風を離れてしまった寂しさを埋めるように副長のましろにべったりな納沙を見てほしい。「シロちゅわ~ん」じゃないよほんとに。納沙のうっとおしさ、(少し離れて見ておきたいような)かわいさ、納沙というキャラクターの魅力が存分に発揮されているのであるが、これは黒瀬ゆうこさんの演技が絶妙だ。うっきうきで出し物(仁義ある晴風)の準備をする納沙、砲雷科の主砲ものまねに心底興味なさそうによそ見しながら「コアラの鳴き声じゃないですかねぇー」と言う納沙、岬や知床が絶妙に棒読みの中一人(納沙の)本気を見せて演技をする納沙……。はじめは浮いていた(まあずっと浮いているが)納沙が、副長を犠牲にしながら少しずつ晴風に溶け込んでいる様はやはり見逃せない。

次に「出し物」である。あそこのシーンは「はいふり」が好きでないと見れないが、「はいふり」が好きなら最高のシーンに映る、そういう点で見事だった。出し物のレベルも等身大というか、準備期間のまったくない中で彼女らが即席で考えそうな、そういうレベルのものを出していて好感しか持てない。砲雷科の主砲モノマネに目を輝かせる西崎と立石、そしてうれしそうに答える勝田。勝田は航海科なのにそういうのわかるんだ…!みたいなところも発見があってよい。個人的には武田のが似てるっぽくて好きである。山下、勝田、内田、八木、宇田による航海ラップも、完成度を含めて絶妙だ。客席に振って回答を待つ間前後に揺れているのがなんともシュールな笑いを誘う。次に西崎・立石による漫才。これは元ネタがあってちゃんとエンディングにもクレジットされているのであるが、この漫才を見ていた砲雷科、その中で武田が「私たちの砲術長が人前であんなに堂々と…!」と言うシーンがある。このセリフから、立石は普段無口だけれど、砲雷科のみんなにはちゃんと慕われているんだなということが垣間見え、大変にいいセリフで大好きなのである。最後の艦橋要員たちの劇。めちゃくちゃ好きなガヤが一つ入っているのでそれを是非耳を澄ませて聴いてほしい。ましろが「カシラ!」と言いながら納沙をかばって切られる演技のところで、「よっ!宗谷屋!」というガヤが入るのである。酔っぱらったようなその声はおそらくマッチ酔いした等松によるものであろうと思うが、副長の晴風での立ち位置を表しているようでもあり、大変好きなものだ。

「黒木と岬の清算」について。黒木は入学前から宗谷にあこがれており、宗谷ではなく岬が艦長であることにずっと不満を抱いていた。(入学前の話は前日譚コミックス『はいふり』でチェックされたい) そんな黒木は相撲での直接対決で岬に勝ち、そして対戦後自ら岬に手を差し伸べる。このときの表情もまたいい。大したことではないと思われるかもしれないが、ラストバトルに向けてこの確執は絶対に取り除く必要があった。この清算のシーンを、お祭り回に見事に組み込んで自然にやってのけたところには惜しまぬ拍手を送りたい。しかも、これを仕組んだのは柳原である。柳原は幼馴染の黒木が宗谷にべったりなことをさびしく思っていたが、スネた自分を黒木が見つけてくれたことで自分も黒木のために何かしたいと考える。そして柳原は艦橋要員たちが出し物をやっている間黒木に言うのだ。「クロちゃんがスカッとすること」をやる、と。柳原はちゃんとここの確執をわかっていた。その流れがあっての、あの相撲なのだ。

5位なのに本当に長々と書いてしまった。言いたいことは無限に出てくるがここまでにしておきたい。私が「はいふり」をどれだけ好きかが伝われば幸いである。

 

 

第4位:『ばくおん!!』第12話「もしものせかい!!」(春)

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バイクさながらぶっとんだ展開となぜかいい話につなげる力のバランス感覚が絶妙だった『ばくおん!!』だが、その中で一本選んだのはこの最終話。

まずはバイ太との再会シーン。まさかこんなところで再開できるとは佐倉羽音ならずとも私も思っていなかった。最終話ということもあり、これまでに登場したキャラがしっかり画面に出てくるところが、やはりこの最終回のいい最終回たる証左であろう。

ただ、この回で一番良かったシーンは誰が何と言おうとバイクのない世界で一人「バイク」に乗り、口でエンジン音を言うシーンだ。「佐倉羽音、いきます!」も含め、ここの上田麗奈さんの演技には舌を巻いた。今年でグンと上田麗奈さんのことが好きになったわけだが、そこに佐倉羽音というキャラクターを抜きにして考えることはできない。口エンジンと言えば第1話で自転車を漕ぎながら佐倉羽音は口エンジンを言っていた。それを踏まえての最終回、バイクのない世界で「バイク」に乗る佐倉羽音の後ろ姿はものすごいエモーショナルである。

この「もしものせかい」の中では、バイクのない「合理的」な世界が広がっている。早く移動するなら自動車があり、自分の力で移動するなら自転車がある。今さら第三の乗り物なんて。そのとおり、その通りだ。でも、佐倉羽音は言う、「オートバイのない世界は、ほんの少し寂しい」と。「自転車は優れた人間にしか乗れない」とこの世界の恩紗は言う。もしこの世界に優れたアニメしかなかったら、頭のいいアニメしかなかったら……。その世界に『ばくおん!!』はあるだろうか。その世界は果たして楽しいだろうか。私は、今のこの「バイクのある」世界が大好きだ。あなたは、どうだろうか。

 

 

第3位:『ビッグオーダー』第6話「オーダー!つなげ、魂!BIG connect」(春)

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異常なテンポと異常なセリフ回し、異常な展開力と最高の劇伴。それが天才的で奇跡的な絡み合いを見せ、アニメ界のオーパーツとでも言うべき「異常」な作品が出来上がった、それがこの『ビッグオーダー』だったと思っている。個人的には今年一番の衝撃だったかもしれない。

このアニメの魅力はなんといっても上でも挙げた「異常なテンポ」「異常なセリフ回し」「異常な展開力」そして「最高の劇伴」であると考えている。この第6話はその魅力がいかんなく発揮された回だった。

まずは「異常なテンポ」に関して。この回はエイジが壱与と二人で出雲に行くところから始まる。最初はのんきに出雲そばをすする二人。洞窟に入って遭難、エイジと壱与はちょっといい雰囲気になったかと思いきや…… というところで出雲の巫女登場。前半部分はまあ早くはあるがテンポ自体はありえる程度の早さである。本番はここから。後半は巫女と蹴鞠勝負。二人の気持ちを合わせて勝負に勝ったと思いきやダイバー姿のオッサンにしか見えない次の敵の登場、そのまま戦闘に入り、決着。こんどこそ終わりかと思いきやEDに入る前になんかよくわからん幹部っぽいのが出てきて次元を横断して出雲の巫女が切られて死ぬ。

ここで終わりである。異常すぎる。普通は蹴鞠勝負が終わったところ、あるいは次の敵が登場したところあたりで一旦切るだろう。しかしこのアニメは次の敵との勝負もサラっと詰め込み、一気にやってしまえとばかりに巫女が死ぬところまでやってしまった。この、「まあここで終わるだろう…」という、これまでアニメを見て染みついたテンポ感覚というものを裏切り、何が起こってるのかよくわからないままに畳み掛けてガンガン話を進めてしまう。この感覚はこのアニメでしか味わえない。これは「異常な展開力」とほぼ同じでもある。

「異常なセリフ回し」については劇中のセリフを抜き出せばわかってもらえるだろうか。「与太こいてんじゃねえ!」「お前を妊娠なんかさせねえから!」「蜜壺をドミネート」「イカレポンチじゃねーか!」「お汁がとまんない」「なに言ってんだコイツ」…… これはすべて6話の中で出たセリフである。こんなセリフの洪水を聞けるアニメは、というか聞ける体験は余所ではできないだろう。またこれに関してはエイジ役の森田成一さんの演技が本当に最高でクセになる。

「最高の劇伴」は本当に最高。以上のような異常なテンポ、異常なセリフ回しの後ろで流れる軽快でダサカッコいい劇伴を聴いているとなんだか楽しくなる。見たことのある人ならわかるはずの、あの曲である。音楽なので言葉で書くより実際に聴いてもらうしかない。ビッグオーダーの虜、そしてあの曲の虜だ。

また、この回では壱与がクレジット順で2番目に上がっている。鈴、壱与、瀬奈という三人のヒロインの使い方、そしてそれと連動したこういうクレジット順のいじりは上手い。個人的に壱与が好きということもあり、そして上述した魅力がいかんなく発揮された回ということもあって選出したわけだが、『ビッグオーダー』第6話、堂々の2016年第3位である。

 

 

第2位:『蒼の彼方のフォーリズム』第7話「刺される前に刺せ!」(冬)

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「負けてからが、本当の勝負」 架空のスポーツを題材にして見事な少女の心の揺れ動きを描き、そして試合では青い海、青い空、白い雲、そしてそこに描かれるグラシュの軌道が本当に美しく映え、「青春」を描いたアニメとして視覚的にも抜群のものを見せてくれた『蒼の彼方のフォーリズム』から、みさきの心が折れてしまった、「負けてからが」の部分を見事に描いたこの第7話を選出。

この回はみさきが強く意識し、自身も破れた相手である「絶対王者」真藤と、無名の新人乾との決勝戦から始まる。みさきはまるで自分に言い聞かせるかのように、真藤が負けるわけがないと言う。真藤は最強だ、だから自分が負けたのも仕方がない、むしろそんな真藤と互角に渡り合えたんだから自分はすごいのだ、そう思ったままでいられるために、真藤が負けるなんてありえないと言う。

だが結果は真藤の負け。試合中苦しそうな表情を見せる真藤とまったく無表情の乾の対比も上手い。乾の「美しい」FC、「バードケイジ」である。相手を鳥かごの中においやる技、そして各務先生が「進化の袋小路に迷い込む」と言ったように、それ自身がFCそのものを籠の中に閉じ込めてしまうような、見事なネーミングだったと思う。この回に限ったことではないが、FCの試合中のグラシュのSE、そしてアツい劇伴はこのアニメの魅力を大きく担っている。

自分をただ一つ慰めていた「絶対王者真藤」は崩れた。真藤の負けに激しく動揺するみさき。しかし明日香は言う。「すごいですね!これも、フライングサーカスなんですね」と。また、試合中明日香は言っていた。「すごいのは乾さんの方です!」と。みさきは真藤の負けだけではなく、真藤を負かした乾を「すごい」と言えてしまう明日香にも激しく、激しく動揺する。ここのみさきの「理解できない」「理解したくない」という描写がほんとうに素晴らしい。

みさきは一人買い物へ。フードコートで流れていたテレビは真藤の敗北をニュースとして流す。そこにいた名もなき女の子たちは言う。「真藤先輩、負けちゃたんだって」「へえー、そんな天才が海陵にいるんだー」 「天才」、この言葉がみさきにひっかかる。そして私の大好きなバス停のベンチのシーン。「天才」だと思っていた真藤も努力しているのだということを知るみさき。その上真藤はあの敗北に対して、心を折られるどころか「怖いって…… 楽しいからだよ」と言う。フラシュバックする明日香の顔。そして真藤は決定的な一言を言う。「楽しいと思えなくなったら、僕はやめるよ」そして真藤はバスに乗り込み、先に進む。一方みさきは、進むのをやめ、その場に留まる。強くなる雨の音が、何よりも雄弁に先の展開を物語る……

無垢に強くなっていく明日香に対し、みさきはすごく人間くさいキャラクターだ。そんなみさきの心がポッキリ折れてしまうまでの過程を、みさきのまわりのキャラクターを使って、丁寧に、丹念に、美しく描いた第7話だった。「負けてからが、本当の勝負」本当にいいキャッチコピーだ。そして最高にこのアニメを表現したキャッチコピーでもある。このキャッチコピーを考えた人と酒を酌み交わしたい。ちなみにみさきの「本当の勝負」は11話で乾との対戦という形で描かれる。こちらも本当に最高な回となっている。

 

 

第1位:『アクティヴレイド -起動強襲室第八係-』第5話「消失のポーカーフェイス」(冬)

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 2016年で一番好きな一本に選んだのは、『アクティヴレイド -機動強襲室第八係-』より「ポーカー回」だ。

この作品全体の魅力を語りだすと止まらなくなってしまうので手短にするが、近未来のパワードスーツ、「ウィルウェア」をめぐって、パロディやオマージュにあふれた魅力ある一話完結の物語たちが続いたと思えば、終盤でそれらの話に無造作に張り巡らされていた伏線をものの見事に回収していく爽快感。特に2期の方では1期からの伏線も大量に回収していき、一層その爽快感は強かった。

さて、この第5話の話に入ろう。この回は何と言ってもダイハチがポーカー勝負をする相手、予備校数学教師小野寺の魅力が抜群だ。最初はオドオド、次第にキリッとした顔つきで淡々とポーカーに勝ち続け、かと思えば本性を表してからはペラペラ饒舌に身の上話なんかも話してしまう。ブラッディーマリー、もとい円との最終戦では負けフラグをきれいに立てる舌の回りを見せ、挙句の果てに「敗残者が」とまで言い放つ。そんな自信満々の小野寺が円に負けたときの顔が上の画だ。一瞬にしてこんなに顔が崩れてしまう小野寺が大好き。

黒騎と舩坂さんのダメギャンブラーっぷりも大変魅力的。20万負けてもヘラヘラ飲み代を奢る黒騎。そして酒と女とギャンブルで身を持ち崩したという舩坂さん。二人とも典型的なギャンブルをやってはいけないタイプの人間である。ただ悲しいことに、こういう向いていない人間ほどハマってしまうのがギャンブルというものなのだ。この二人、前半はあれだけボロボロだったのに、円のターンになると突然知ったようにポーカーの場の解説をし始めるのが本当に面白い。舩坂さんが小野寺と対戦しているときの「今やまるでデスマスク」発言も好きだが、小野寺と円の対戦、その最終局面において二人が「いや、決着の流れに向かっています」「ああ、今来ているのはビッグゲーム!」と言うところが本当に好き。お前らさっきまでボコボコに負けてたのになんでそんなカッコつけてるの!?特に黒騎なんて本当に一瞬で負けたのに……

そして大西沙織演じる天野円、その最大にして最高の見せ場がやってくる。「できるの?ポーカー」というはるかの問いにビシッと親指を立てる円のかわいさよ。小野寺と互角に渡り合うも押され始め、15分のタイムを申し込む円。15分経って小野寺はつぶやく。「15分…… 私の勝ちか」戻ってきた円、もといブラッディーマリーはさっきとは一段変わった艶やかな声で言う。「いいえ、あなたの負けよ」(!!!) このときの円の両脇にいる、ストライクインターセプター姿で外からは表情の見えない黒騎と「どっひゃ~」という舩坂さんの顔の対比も抜群にいい。そこからは円ではなくブラッディーマリーの声で役を作り、局面は最終盤へ。

場の雰囲気に乗せられたのか、ここにきて円も名ゼリフを連発する。「お前にギャンブルをやる資格はない。お前はギャンブルに溺れた溺死体、ただ闇を漂う者。ギャンブルの醍醐味は、ギャンブルを離れて光の世界に帰還することにある」「あとこれはね…… わざとよ」「ゲームの終わりは、次のゲームの始まりでもある。また会いましょ」

その後の飲み会の最後、舩坂さんのかけた「趣味はほどほどにね。弟さんや妹さんのためにも」という言葉に対して円が見せた笑顔が、100点満点の笑顔だった。

この回はセリフの強度が段違いだった。やはりギャンブルをすると人間の本性が出るのだろうか、ほとんど全員場にのまれたかのように名言をどんどこ生み出していく。また、ポーカーのルールがわからないとあさみが言うシーンでは、並のアニメならルールの解説に少し時間を割いただろう。しかしこのアニメはそんなことはしない。そもそもポーカーのルールをわかることはこの回を楽しむにあたってさして重要なことではない。そもそもそんなものはアニメに求めることではない。インターネットで自分で調べればいいことだ。なんでもかんでも自分で調べる前に人に答えを求める姿勢に再考を促しているのである。

そして劇伴。これは第3位に選んだ『ビッグオーダー』、第2位に選んだ『蒼の彼方のフォーリズム』もそうだったが、劇伴のいいアニメはいいアニメ、いいアニメは劇伴がいいアニメだ。ブラッディーマリー登場から流れるあの劇伴は、テンションをグイッと上げてくれた。

「ポーカー回」の歴史に一つ新しい一本が加わった。この回は何度見ても変わらずポーカー勝負でテンションが上がる。30分のエンターテインメント作品として今年はこの一本が第1位、文句なしだ。

 

 

 

以上、私が選んだ今年のベストテンである。いかがだっただろうか。

正直に言うと今年は去年に続きアニメを見た本数は少なかった。30分尺のアニメに限ってしまうと完走したタイトルは50本に届かないくらいだろうか。こんな程度で今年の10本を選んでしまったことに関しては素直にお詫びを述べたい。あれを見てないのに10本選んでも不十分だろ、というご指摘は重々承知だ。

だが、それでも今年のアニメは本当に充実していた。このベストテンも、どの回も本当に最高で、私としては自信を持って、胸を張って今年のベストテンだと言える。

 

さて、20本にノミネートしたものの苦渋の決断でベストテンに入れられなかった10本もここに記しておきたい。順番は今回の視聴順に従う。

・『ViVid Strike!』第8話「勝者と敗者」(秋)

・『ふらいんぐうぃっち』第5話「使い魔の活用法」(春)

・『蒼の彼方のフォーリズム』第11話「わたし負けない!」(冬)

・『最弱無敗の神装機竜』第7話「少女の真実」(冬)

・『少年メイド』第7話「学問は一日にしてならず」(春)

・『アクティヴレイド -機動強襲室第八係- 2nd』第10話「訣別の宴」(夏)

・『フリップフラッパーズ』第8話「ピュアブレーカー」(秋)

・『ハルチカハルタとチカは青春する~』第7話「周波数は77.4MHz」(冬)

・『灼熱の卓球娘』第5話「あなたとドキドキしたいから」(秋)

・『クロムクロ』第14話「祭りに踊る羅刹」(夏)

 

そして、あみだくじで決めたベストテンも含めた20本の視聴順は以下の通り。

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クールごとの偏りはまったく考慮していなかったが、見返してみるとノミネート作品では冬・春・夏・秋がそれぞれ、6本・5本・4本・5本。ベストテンの中ではそれぞれ、3本・3本・2本・2本。うまい具合にバラけた。豊作だ不作だなんだと世のオタクは言うが、ちゃんと毎クールおもしろいアニメが放映されていることの表れだろう。

 

紅白が始まってしまった。2016年も終わりだ。2017年はどんなアニメに出会えるのだろうか、今から楽しみで仕方ない。来年も良いアニメライフを送れるものと信じている。ただ来年こそ視聴数を元に戻したいところではあるが……

 

みなさん、良いお年を。