爽やかこってり系クライミングアニメ『いわかける!』をぜひ見てほしい

皆さん、今日もアニメ見てますか? この記事では名作溢れる2020年秋クールの中で埋もれそうだけど埋もれてほしくない、私のイチオシアニメ、『いわかける!』をプッシュしたいと思います。

 

 

iwakakeru-anime.com

 

原作はサイコミ連載のマンガ。サイコミでアニメ化作品といえば、2020年冬クールの『群れなせ!シートン学園』があります。

題材はスポーツクライミング。おそらくスポーツクライミングをやったことがある人は少ないと思うので、ジャンルとしては女の子がマイナースポーツに取り組む部活モノと言っていいでしょう。部活モノとしては、架空スポーツであれば『神田川JET GIRLS』や『サークレット・プリンセス』、『蒼の彼方のフォーリズム』などがありますが、実在のマイナースポーツを取り扱ったものとなると、ビーチバレーの『はるかなレシーブ』あたりでしょうか。

 

 

さて、この『いわかける!』ですが、量、質ともに素晴らしく揃っている2020年秋アニメの中では正直地味な方だと思います。放送時間も、話題作の揃った土曜の中で比較的深い時間ということで、他のアニメと比べても見ている人は少ない印象です。

しかし、これが面白い。それも、是非今期アニメと一緒に見てほしい。多彩な今期アニメの中にあって、足りなかったピースとしてきれいにハマる、そんな魅力を持ったアニメだと思います。

 

 

このアニメの魅力、それはタイトルでつけたように、「爽やかこってり」なところにあると思います。スポーツアニメとしての爽やかさ、そして深夜アニメとしてのこってり感。そのマリアージュが我々に深夜アニメというものの面白さを教えてくれるはず。

 

 

 

 

 多彩なキャラがこってり

このアニメの一番の魅力として、私は真っ先にこってりキャラ付けのライバル選手たちを挙げます。見た目からしてわかりやすいキャラもいれば、しゃべり出すことで判明するヤバいキャラもいます。

主人公ちゃんの学校は選手は4人なのですが、この4人と比べても圧倒的に他校のキャラが濃いです。とにかく味付けが濃い。主人公ちゃんはある程度キャラ立ってますが、少なくとも画面での存在感においては他校の濃さが凌駕している。マイナースポーツゆえに、キャラクターからわかりやすく競技特性を掴ませるのは良い手だと思います。

 

 

まずはパッと見でわかりやすいライバルキャラたち。

 

・岩峰一愛 久里川高校

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見ての通りなぜかウサ耳カチューシャを着けています。なぜ着けているのか謎。あと見ての通り他キャラへの絡み方もネットリしてる。ちなみに劇中では最強クラスのキャラで、長いリーチを活かして壁を登っていきます。

 

 

・熊谷千草 久里川高校

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同じく久里川高校。こちらも見ての通りでとにかく上半身の筋肉で壁を登っていくスタイル。ダンベルアニメ出てませんでしたか?

 

 

・大場久怜亜 聖カタルノ女子

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元バレエダンサー。バレエ仕込みのバランス感覚を活かして登っていく。今どきそんな髪の毛内巻きにすることある??? 主人公と過去の因縁があるようで、チアフルーツのムラムラちゃんを彷彿とさせるものがある。

 

 

そして、次に見た目は普通だがしゃべるとマトモじゃない人たち。どちらかというとこっちの方が衝撃度は高いです。

 

・藤田真澄 聖カタルノ女子

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中央の水色髪の人

ぱっと見は普通なんですが、しゃべるとわかる。一言でいうとアホです。4話の登場シーンでは今期を代表する名言「君がそうならばそこをそうさせていただく」を放ちました。何言ってるかわからない? なら4話を見てください。見てもわかりません。語彙力喪失して指示語だけでしゃべっちゃうやつ、現実ならまあたまにあることですが、アニメでこれやるとこんな唯一無二のキャラが生まれてしまうんだな……。ちなみに岩峰さんと並ぶ今作屈指の実力者です。

 

 

・佐藤丸乃 久里川高校

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かわいいですね。ですがこのキャラ、語尾が「やんす」です。

……え。

 

やんす!?!?!?!?!?!?!?!?

 

「どやんす」じゃなく、「~~でやんす」!?!?!?!?!?

 

今日び下っ端キャラでも聞かないぞ……。

みなさんは語尾がやんすの美少女キャラ見たことありますか? 私は初めて見ました。あと、ちなみに一人称は「あっし」です。

 

あっし!?!?!?!?!?!?

 

ライミングスタイルは使いパシリでかき集めたデータを駆使したデータタイプ。そこでそうつなげてくるんだ……。

 

 

他にもCV田村ゆかりのアイドル的選手、ヤンキーの魂を持っているがクライミングは基本に忠実なキャラ、語尾が「~~だにゃ☆」で初心者狩りの精神攻撃が基本のキャラなどがいます。多彩ですね。そして他校のライバル選手ではないですが、みんな大好き銀髪美少女もいます。

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ちなみにファザコン



みんなもお気に入りのキャラを見つけてね!

 

 

 

演出もときにはこってり

 

こってり、というかゼロ年代みたいなレトロなギャグ演出が惜しげもなく披露されるところもこのアニメの魅力です。レトロさのわりに作画自体はちゃんと今風で、よれよれ感がないのもまた不思議な面白さがあります。

 

 

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こういうのが惜しげもなくお出しされます。

 

 

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画面から迸る「ぐぬぬ」の波動。

 

 

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「ε」の口がいとおしい。

 

 

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シューズ作りのために足の形をとっているシーンです。それ以上でも以下でもない。

 

 

 

ご覧になって分かる通り、線や塗りはわりとパキパキしています。のわりにアニメアニメした画面が当たり前のようにちょくちょく出てくるのが、このアニメの大きな魅力の一つだと思います。

 

 

意外?と堅実なスポーツ描写

 このようにアニメアニメした魅力が強いこのアニメですが、スポーツクライミングという競技とそれを通したストーリーの組み立ては意外と堅実です。

1話は導入として主人公がクライミングを初体験、2話でいきなり大会に出て自分の弱点を知る。3話が特訓回で4話でその成果が出る。そして現時点で最新話の5話では大会で各校の選手たちを紹介しながら、主人公の先輩に軸を通した回をやっています。

 

 

まず主人公の笠原好(このみ)ですが、クライミングは初心者なものの、元廃人級のパズルゲーマーであり、壁をパズルに見立てて登るためのルートを瞬時に見抜くことができるという特徴を持っています。

主人公にこうしたキャラを持ってくることで、クライミング=「ファイトォー!いっぱーつ!」みたいななんとなくのイメージをまず振り払っているのは上手い。事実スポーツクライミングは身体能力だけでなく、知力判断力がものを言うスポーツです。まあ、私はやったことありませんが……。

 

 

そして、主人公の先輩、ののちゃんこと杉浦野々華ちゃんを軸にした現在最新話の5話非常に良い回でした。ちゃんとスポーツアニメをやっている。

 

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ののちゃん先輩です。かわいいね。

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ドヤ顔がかわいい。

 

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壁を登ってもかわいい

 

さてこの5話のサブタイトルは「努力と天賦」。特訓の甲斐あって完登(ゴールまで登れること)を果たした好に対して野々華は……。

好が3,4話の特訓によって鍛えたのは体力であり筋力でした。それは特訓によって後天的にでもなんとかなるもの。しかし野々華にとって足りなかったものは、努力ではどうにもならないものでした。 それは身長。スポーツクライミングにとって、身長が高い方が必ずしも有利というわけではなく、小さい方が有利になることもあるようですが、少なくとも彼女にとっては、その身長こそが絶対に超えられない壁となってしまったわけです。

 

スポーツものにおいて「努力と才能」の話は鉄板中の鉄板。その「才能」の中でもわかりやすく、そしてどうにもならないことが決定的な「身長」を軸に据えることで、野々華の悔しさが十二分に描かれた見事な回でした。他校の高身長を活かしたキャラを登場させたり、好の「努力」によって得られた成長を描写したりしているのも上手い構成。努力でどうにかなるものと、努力ではどうにもならないものっていうのがあるんですよね。それでも努力するしかないんだな……。「負けてからが、本当の勝負。」なアニメは名作。試合後の野々華にキャプテンであり友人である四葉幸与(さよ)がかけた言葉も良かった。今さらですが四葉の幸せ与えるってすごい名前だな……。

 

 

そんなわけで、トンチキなキャラがたくさん出てくるだけのアニメではないことが、この5話でハッキリしました。そもそも題材からし「壁を登る」ことがモチーフとして無限に使えるので、アニメ的なストーリー描写には合っているのかもしれません。

 

 

ちなみに主人公の高校のキャラは全部で4人ですが、上記で名前の出なかった上原隼(じゅん)は腹筋がすごいです。1話では人当たりがキツく数々の視聴者にダメージを与えましたが、2話以降はわりとまともで本当に良かった……。

 

 

 

そんなわけで

正直に言うとこういうアニメは放送が終わってから話題になることは少ないし、わざわざ後から見るアニメでもないと思います。だからこそ放送中の今見てほしい!と思い、久しぶりにブログを書きました。一週間に一本こういうアニメがあると……うれしい!という感覚をぜひいろんな人に味わってほしいのです。いろいろ書きましたが、やはり深夜アニメの軽やかさがうれしいアニメです。ご飯を食べながら見るのにちょうどいいタイプのアニメと言ってもいい。

 

あと言うまでもないですが、腋や腹筋、脚や尻などは頻繁に画面に登場しますので、そういうのが好きな方にもおすすめしたい。自分は腹筋が好きです。

 

このアニメ、今時珍しいかなりちゃんとした次回予告があるのも魅力の一つなのですが、次回第6話では好ちゃんが覚醒してお兄様ばりのクソダサスーツに身を包む(イメージ)ようです。絶対楽しい回になること間違いなし!

放送は毎週土曜日26時からテレビ朝日系列全国24局ネット。違法電波MXではない!もちろんdアニメストアなど各種配信サービスでも見れます。

 

 

 

さあみんなでレッツクライム!

 

 

 

anime.dmkt-sp.jp