私(僕)(俺)アニメ見るよ、と一口に言っても ~様々な好みと様々な見方~

 

アニメオタク、この記事ではより広く「アニメを見る人」としますが、彼らは一つの集団、同志、趣味を同じくする仲間である、と言えるでしょうか。

「アニメを見る」「アニメが好きだ」という言葉に反応してアニメ談議に花を咲かせようとするも、どうにも見ているアニメがかぶっていなかったり、抱く感想が異なっていてイマイチ盛り上がれなかったなどということは、もしかすると多くの人が経験のあることかもしれません。

 

アニメには様々な要素があります。様々なタイプのアニメがあります。

例えば野球を見るのが好きだと言っても、プロ野球が好きな人、アマチュア野球が好きな人、メジャーリーグが好きな人がいますし、それぞれの選手のプレイに注目する人もいれば、データを集めて整理するのが好きだという人もいます。特定のチーム、選手を応援するのが楽しいという人もいれば、そういうことは特にないけれど見るのが楽しいんだという人もいます。もちろん、様々な要素を同時に楽しんでいるものなのですが、その重心、そして深さは十人十色であるでしょう。

 

この例えが適切がどうかというところはありますが、やはり「アニメを見る」ということにおいても、人によってその見方、重心、好みなんかは様々あるわけです。

そこで、なんとなく自分の中にある「アニメを見る人」のタイプ分けを書き出してみて、適当に名称もつけてみました。自分がどのタイプに近いか、どういった風にアニメを見ているのかを考えてみるとともに、自分がこれまでやっていなかった見方をしてみるのもいいと思います。また、自分がどういうタイプで、また相手はどういうタイプなのかなということを考えると、より円滑なアニメ談議ができるのではないかとも思います。

 

 雑食型

 特にこだわりなどなく、おもしろいと思ったアニメ、好きだと思ったアニメをいろいろ見ていく人たち。

アニメを見ようと思った理由、見なかった理由などに確固たるものがあるわけではなく、いろんなアニメを見ている。中高生などアニメを見だして間もない人に多いイメージ。この期間を経て後述する様々なタイプに分かれていくのがよくあるアニオタルートかと。

 

完食型 

放映しているアニメ全部、しかも1話から最終話まで全部見る、という人たち。全部、といっても深夜アニメ以外は漏らしているとかテレビ放映ないやつは見てないという人も広義でここに含めたい。

おもしろい、おもしろそうなアニメを見ていくうちに全部のアニメを見るのが常態化するようになった積極的完食型と、初めからアニメを全部見ることを目的とする完食目標型がいる。ただ、後者でも全部のアニメを最初から最後まで見るうちに、楽しみ方がわかり最終的には前者になっていくということも多いような。とにかくどのアニメの話にもついていけるという強みがある。

 

切り捨て型

「○○、○話で切った」と殊更にアニメの視聴をやめたことを言いたがる人たち。

場合によっては1話Aパートで切った、とか開始5分で切った、とか(「切った」と言いたいだけなのでは?)ということも。後述の批評(批判)家型の一部とともに、アニメをいわゆる「減点方式」で見ている人たちとも言えるだろう。もちろん最後まで見る作品は最後まで見る。「0話切り」はただ見てないだけなのでこれには含まれないが、ただ視聴しなかっただけのことを「0話切りした」などと言うのはこの種の人にありがちなことだろう。

前述の完食型とは相容れない。聞いてもいないのにわざわざ「○○、○話で切ったけどまだ見てるの?」などと言うのは口論の種なので少なくともリアルではこれみよがしに言う必要はないと思っている。ネットではこの種の人はよく見かける印象があるが。

あくまで「切ったと言いたがる」ところに特徴があると思っています。 

 

批評(批判)家型

アニメを見て、批評(批判)することが好きな人たち。

こう書くと大仰だが、アニメを見た後あーだこーだと文句や感想を言うのが楽しいというのは誰にでもあることだろう。それをよりしっかりとやっている人たちがここに入る。「ここはいいけどここはダメ」というのなら普通なのだが、どうしても批判点の方が多くなってしまう印象も強い。批評するためには見なければいけないので、なんだかんだ言いながら最後まで見ていることが多い。アニメ批評ブログに見られるように、ネットでこの手の人は多い。というかみんな批評などしたいのだけれど、リアルでは憚られたり話を聞いてくれるような人がいなかったりでネットにあふれているだけのような気も。

 

クソアニメ愛好家型(自覚ありorなし)

いわゆる「クソアニメ」と呼ばれるものを好んで見る人たち。最初からその手のアニメを求めて見る人(自覚あり)と、自分の好きな、おもしろいと思ったアニメが「クソアニメ」と呼ばれるものである人(自覚なし)がいる。

「クソアニメ」の定義についてここで長々と書くわけにもいかない(し、自分自身も確固たる定義を自分の中に持っているわけではない)のでどういったアニメがここでいう「クソアニメ」に該当するのかは各々の頭の中で当てはめていただきたいが、この手のアニメを特に好む人たちは、特に最近多い気がする。テンプレというのが成熟し、テンプレがネタにすらなってきていることで、「クソアニメ」認定されるものが多くなってきたのが理由かもしれない。

彼らの言う「クソアニメ」はほとんどの場合褒め言葉である。時々、否定的な意味を込めた「糞アニメ」という言葉を使う人もいるが、その辺の言葉の使い方は人それぞれだろう。また、自覚なしの人はそのアニメを「クソアニメ」として楽しんでいるわけではないので、自覚ありの人とはいまいち相容れないことも多そうである。 

 

メジャーどころ押さえ型 (一般人型 )

注目作品、認知度の高い作品だけ見る人たち。特にジャンプ、ヤンジャン等の「非オタク雑誌」(まあまあ語弊のありそうな表現ではあるが)原作のアニメ(オタクといわれる人たちでなくても原作の認知度が高いアニメ)は見る、という人は一般人型と呼んでいる。

例えば今期(2015冬開始アニメ)であればジョジョ暗殺教室は後者の人が見ているアニメと言えるだろう。『進撃の巨人』なんかはその代表的なものである。前者としては、前期のFateのような、いわゆるビッグタイトルを見ている人と言える。その他のアニメはそもそも元から見ないだけという人も多いので、よく見られる「メジャーどころだけ見てアニメ好きですなんて言うな」という批判をするのではなく、他のアニメも薦めて立派な(?)アニオタに育ててあげよう。

 

原作から遠征型

 原作を知っている(読んでいる、やっている)作品がアニメ化されたものを見る人たち。その中でも原作を知らないアニメはほとんど見ない人たち。

その人のカバー範囲によってどれだけアニメを見るかも違ってくる。キャラなどの予備知識を全部知り、後の展開を知った上でアニメを見ることになるので、良くも悪くもアニメで初見の人とは見方が違ってくる。ともすれば原作厨などと揶揄されることもあるが、そのアニメが作られるのに貢献したということは忘れてはいけない。まあだからといって偉いというわけでもないのだが。

 

オリジナルアニメ愛好型

上とは逆に、原作なしのオリジナルアニメを好んで見る人たち。

オリジナルアニメの長所は、先の展開を知る人が制作以外にいないのでネタバレがなく楽しめること、またアニメオリジナルであるのでアニメというメディアに最適化されたシナリオ、設定が一から組めるということであると思っている。そういったオリジナルアニメに魅力を感じ、これを好んで見る人。オリジナルアニメが好きという人は一定数いると思うが、アニメオリジナルであるかどうかでそのアニメを視聴するかどうか決める、とまでなる人はそんなにいないように感じる。

 

 声優愛好型

 アニメの要素の中でも、声優に特に注目して見る人たち。

○○が出てるから見る、というタイプの人もいれば、有名声優からモブ声優まで幅広くカバーして注目している人もいる。アニメ好きなら声優もたいていは知っていて当然というのは多少なりともこのタイプの要素を持ってる人の考えで、実際にはアニメは好きでたくさん見るけど声優の知識はほとんどないという人はそれなりにはいるような気がする。

これがある方向に進むと声優オタクになり、ブログを周回し、イベントに行きまくるようになり、やがてアニメ自体からは離れていくという(偏見)。声優オタクというのと、アニメオタクとして声優に関して造詣が深いというはけっこう大きく違うと思っています。

 

スタッフ注目型

 監督や制作会社、シリーズ構成や脚本、作画監督などのアニメ制作のスタッフに注目してアニメを見る人たち。

その人が手がけたアニメたちを見た、知っている上で新たなアニメを見るときに注目しながら見ることになるので、比較的年齢の上の方にいくにつれてこのタイプの人が増えるような気がする。SHIROBAKOの影響でエンドクレジットなどに注目する人が増えたことでこのタイプの人もまた増えていくのだろうかなどとも考えている。

 

 

 

完全に自分の中でのタイプ分けですが、たいていの人はこの中の一つだけではなく複数に当てはまっていると思います。その中でも最もこれに当てはまってるなあというものはあるのでしょうけれど。自分がどういう態度でアニメを見ているのか一度振り返ってみてもいいですね。

なんにしても、いろんな見方をわかった上で自分の好きなように自分の好きなアニメを見るのが一番いいと思いますので、趣味のことでストレスをためないようにしていくべきではないでしょうか。